日本消化器内視鏡学会雑誌
Online ISSN : 1884-5738
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症例
ダブルバルーン内視鏡下逆行性小腸二重造影施行中に腸管穿孔と門脈ガス血症をきたした小腸Crohn病の1例
矢野 正明鷹取 元北村 和哉加賀谷 尚史水腰 英四郎酒井 明人本多 政夫柄田 智也伏田 幸夫金子 周一
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2014 年 56 巻 9 号 p. 3358-3364

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抄録
症例は30代男性,Crohn病にて通院中であった.生物学的製剤を用いた治療で臨床的寛解状態を維持しており,粘膜治癒評価目的に経肛門的ダブルバルーン内視鏡検査を施行した.骨盤内回腸に瘢痕狭窄を認め,観察範囲内の粘膜治癒が得られていると診断した.口側腸管評価目的の逆行性小腸二重造影を施行中に,腸管外への造影剤漏出と,広範な肝内門脈ガスの出現を認めた.緊急手術により腸管穿孔に対して回腸部分切除を施行した.門脈ガス血症は特殊な治療を要さず自然経過で改善した.寛解と考えていたCrohn病の小腸二重造影時に穿孔を来たし,門脈ガス血症を併発した稀な症例と考え報告する.
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© 2014 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
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