2015 年 57 巻 1 号 p. 46-51
症例は90歳,女性.総胆管結石による急性胆管炎で入院し,内視鏡的胆管ドレナージを試みた.食道入口部に膜様狭窄を認め,十二指腸スコープ(外径13.5mm)は通過しなかったが,細径内視鏡(外径5.5mm)は狭窄部を通過した.胆管造影で胆管拡張と18mmの胆管結石を認めた.5Fr pig tail型の内視鏡的経鼻胆管ドレナージチューブを切断し,先端側を胆管ステントとして細径内視鏡下に留置することで,胆管炎は軽快した.十二指腸スコープが通過しない消化管狭窄例に対する細径内視鏡下胆管ドレナージの報告は稀であり,文献的考察を加え報告する.