抄録
症例1は膵頭部癌の49歳男性,症例2はC型肝硬変の68歳女性で両者とも輸血を要する血便を繰り返していた.造影CTで症例1は上腸間膜静脈への浸潤により,症例2は肝内門脈から上腸間膜静脈の血栓性閉塞に伴う上行結腸周囲の側副血行路の発達を認めた.下部消化管内視鏡検査で微小点状発赤(“red dot sign”)を伴う微細な上行結腸静脈瘤を確認し,内視鏡的静脈瘤結紮術で止血に成功した.腸間膜静脈閉塞が考えられる消化管出血例では,造影CTでの確認および“red dot sign”に着目した丹念な内視鏡観察が必要であり,その治療として内視鏡的静脈瘤結紮術が有用であった.