症例は57歳の男性.当院人間ドックの上部消化管内視鏡検査にて,胃体中部小弯後壁よりに長径約20mmの陥凹性病変を認めた.生検ではリンパ球浸潤の目立つ低分化腺癌と診断された.拡大内視鏡観察では未分化型癌に特徴的な微小血管模様が観察された.適応拡大病変の可能性もあり,診断的治療目的でESDを施行した.病理組織学的には粘膜内に限局したリンパ球浸潤胃癌であり,Epstein-Barr virus(EBV)encoded small RNA
in situ hybridizationにてEBV感染が認められた.早期のリンパ球浸潤胃癌に拡大内視鏡観察・内視鏡治療を行った報告は少なく,文献的考察を加え報告する.
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