2015 年 57 巻 5 号 p. 1291-1295
経鼻内視鏡を硬いガイドワイヤーで補助することにより近位空腸まで挿入する方法を開発した.経鼻内視鏡の鉗子孔から硬いガイドワイヤーを先端より約20cmまで挿入すると,それより末梢側は柔軟で中枢側は硬い内視鏡となり簡易的な先端受動湾曲機能を持つ硬度可変式内視鏡様になり先進性が向上する.この方法で透視下に到達部位を確認しえた17症例を検討したところ16例(94%)で空腸内挿入に成功した(挿入時間中央値は290秒).重篤な鼻出血,鼻痛ほか偶発症なく安全に施行可能であった.本法はカプセル内視鏡やバルーン内視鏡への橋渡し検査として有用と考えられ,深部十二指腸や近位空腸の新しい検査法となりえる.