抄録
【背景・目的】縦隔病変に対するEUS-FNAは,この20年で診断におけるその有用性が報告されてきた.一方で,経気管支的肺生検(TBLB)も肺癌診断においてその役割を果たしてきた.われわれは,縦隔病変に対するEUS-FNAの有用性を再検証するとともに,肺癌診断におけるTBLBとの位置づけを明らかにすることを目的に本検討を行った.【方法】2010年5月から2012年3月までの間,当院においてEUS-FNAを施行した102病変・102症例(縦隔病変,52;膵病変,40;その他,10)のうち,縦隔病変を有する52例・52病変を対象とし,後方視的にTBLBの結果と合わせて解析をおこなった.【結果】全病変におけるEUS-FNAの診断率は100%(52/52),細胞採取率は100%(52/52),組織採取率は98%(51/52)であった.肺癌29例のうち,TBLB未施行4例を除いたTBLBの診断率は36%(9/25)と低かったが,EUS-FNAと相補的に施行することにより,100%の診断を得ることができた.【結論】EUS-FNAは,縦隔病変の診断に有用であり,特に肺癌の診断においてはTBLBとの相補的な施行により,診断の一層の向上が期待される.