日本消化器内視鏡学会雑誌
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手技の解説
逆流性食道炎の診断と治療のコツ
岩切 勝彦川見 典之野村 務星原 芳雄
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2015 年 57 巻 8 号 p. 1641-1647

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抄録

本邦における逆流性食道炎(RE)の内視鏡診断は色調変化型を含めた改訂Los Angeles(LA)分類が広く利用されている.食道粘膜傷害の診断は白苔がある場合や発赤が鮮明で境界が明瞭な場合は容易であるが,発赤だけの場合は深吸気時に送気を行いながら下部食道を十分に伸展し観察することが大切である.粘膜傷害の読影医間の診断の一意率は高い.しかし,色調変化型(発赤,白濁)の読影医間の診断一致率は低く,その原因として色調変化の評価方法,定義が統一されていないことがあげられる.白濁の定義としては十分に下部食道を伸展した状態において柵状血管が透見できない状態であるが,その範囲に関しては基準がなく,今後の検討課題である.
REは食道内の過剰な酸暴露により発症することから,食道内酸暴露時間を正常にすることにより粘膜傷害は治癒する.REの治療は標準量のプロトンポンプ阻害薬(PPI)の内服により軽症REの90-95%,重症REの80-85%が治癒する.標準量のPPIにより十分な効果が得られない場合の対応として,PPIの変更,投与方法(夕食前摂取)の変更が有効である場合がある.

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© 2015 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
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