近畿理学療法学術大会
第51回近畿理学療法学術大会
セッションID: 99
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消化器系癌術後に対するリハビリ介入の早さによる離床への影響
*景山 英智中山 哲志原 耕平
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抄録
【目的】  当院では医師、看護師によって術後離床練習を実施されていたが、平成21年6月にリハビリテーション(以下;リハビリ)科を設立することで理学療法士も運動や離床を促すことに関わるようになった。そして平成21年11月より消化器センターが増設され、それに伴い消化器系癌術後(以下;癌術後)の離床を促す必要性が増えた。今回は、平成22年度の癌術後患者の離床を、リハビリ介入の時期により、介入時の離床状況と介入1週間後の離床状況の差にどのような影響があるかを4~6月、7~9月、10~12月、1~3月に分け、後方視的に調査し、その検証をすることを目的とした。 【方法】  対象は平成22年4月~平成23年3月に消化器(消化腺も含む)の癌手術を施行した50名(男性23名、女性27名)、手術前は歩行での生活、平均年齢75.96歳±15歳。術後からのリハビリ介入時期1~5日、1週間後、2週間後に分けて、介入時の離床とリハビリ1週間後の離床状況の差を調査し検証した。統計処理はt検定を使用し、有意水準0.05未満とした。 【説明と同意】  発表に際して、対象者に本調査の内容を十分に説明し理解を得た上で同意を得た。 【結果】  リハビリの目的を離床、元の生活動作獲得、呼吸機能、廃用性の予防、恐怖心の緩和として実施した。リハビリ内容はコミュニケーション、離床練習、歩行練習、排痰練習、胸郭運動、上下肢運動を行った。術後1~5日以内にリハビリを介入した割合は4月~6月は33_%_、7月~9月は56_%_、10月~12月は69_%_、1月~3月は83_%_であった。リハビリ介入時の離床で歩行ができた割合は4月~6月は50_%_、7月~9月は52_%_、10月~12月は62_%_、1月~3月は75_%_であった。介入から1週間後で歩行ができている割合は4月~6月は67_%_、7月~9月は93_%_、10月~12月は93_%_、1月~3月は100_%_であった。術後からの介入時期で分けて歩行ができた割合は1~5日84_%_、1週間後20_%_、2週間後25_%_であった。リハビリ介入して1週間後に歩行できている割合は介入時期1~5日100_%_、1週間後100_%_、2週間後50_%_であった。リハビリ介入時期と介入時の離床状況をExcel相関回帰での相関係数0.89で強い関係がみられた。リハビリ介入時に行った離床とリハビリ介入1週間後の離床状況は、t検定でP値は0.0003になり有意差(p<0.05)を認めた。結果としてはリハビリ介入時期が遅れると離床状況に差が出た。リハビリ介入時期が早いほうが早期離床の効果は良いと認めた。 【考察】  介入時期が早くなることで座位練習に廃用性の予防を行えたため離床率が上がったと考えられる。また呼吸循環機能向上、立位や歩行練習による下肢筋力の向上、手術前後からの介入によるコミュニケーションが増え離床の必要性を説明し、痛みのでない離床方法を患者・看護師に伝達することでモチベーション向上を得ることで早期離床に繋がった。患者はドレーン、点滴、酸素が付いている要素や創部の痛みなどから、動きに対するモチベーションが下がり離床が遅れる。そのため筋力低下の予防、イレウス予防、術創部の改善に繋がることを説明し、離床の必要性を理解してもらうことでリハビリの積極的な介入ができ離床に繋がったと考えられる。早期リハビリ介入は、医師との連携で、ドレーンや点滴が付いている中でも、リスク管理を行ないながら、離床練習や歩行練習が出来ていると認識してもらうことが出来たために、リハビリ介入が早くなった。 【理学療法研究としての意義】  医師・看護師と連携し、術後早期リハビリの目的が明確されたことで、リスク管理をふまえ、患者とコミュニケーションを取り運動を促すことができたことから、リハビリ介入も早くなり術後早期の離床に繋がると示唆される。  
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© 2011 社団法人 日本理学療法士協会 近畿ブロック
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