抄録
症例は62歳,男性.胃癌に対しcircular staplerを用いた器械吻合によるRoux-en-Y(以下R-Y)再建術を伴う胃切除後2年目に肝障害が出現し,腹部造影CTで輸入脚の拡張を認めた.ダブルバルーン小腸鏡でR-Y吻合部に閉塞を認め,吻合部閉塞による輸入脚症候群と診断し,内視鏡的バルーン拡張術により閉塞を解除した.器械吻合によるR-Y再建術後吻合部閉塞による輸入脚症候群は慢性的な経過と特徴的な内視鏡所見を認め,また,内視鏡により一期的に閉塞を解除しえた報告は非常に少なく,症例報告する.