抄録
症例は78歳,男性.膵管内乳頭粘液性腫瘍の診断で亜全胃温存膵頭十二指腸切除を施行した.術後約4カ月後に肝胆道系酵素の上昇と肝内胆管拡張および胆泥所見を認め,バルーン内視鏡で確認したところ,胆管空腸吻合部にpinhole状の高度な狭窄を認めた.ガイドワイヤーを通過させた後,拡張デバイスの通過が困難であったため,6Fr通電ダイレーターで狭窄部を突破し,その後の処置を完遂した.狭窄部突破における通電ダイレーターの使用は安全性が確立されておらず,現時点で推奨される方法ではないが,短時間に施行可能で十分な拡張効果を有することから,内視鏡操作が限られる特殊な状況下においては,選択肢の一つと考えられた.