日本消化器内視鏡学会雑誌
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症例
内視鏡的砕石術にて治療しえたBouveret症候群の1例
山端 朋子辰巳 菜津子荻田 和幸鳥井 貴司辻 和宏伴 尚美前田 利郎丸山 恭平伊藤 義人
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2016 年 58 巻 5 号 p. 1063-1068

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抄録

症例は89歳男性,1週間前からの嘔吐と食欲不振を主訴に来院し入院となった.血液検査で貧血の進行を認めたため上部消化管内視鏡検査を行ったところ,十二指腸球部に広汎に潰瘍性病変があり,径30mmの結石がはまり込んでいる状態であった.6年前の腹部CTと見比べると,胆嚢内にあった結石が十二指腸球部に移動し嵌頓している可能性が高いと考えられた.内視鏡下に結石をスネアや胆石用砕石鉗子を用いて除去した.結石除去後のCT検査で胆嚢十二指腸瘻が疑われ,更にガストログラフィン造影検査で十二指腸結腸瘻を認めたことから,十二指腸結腸瘻を合併したBouveret症候群であると診断した.内視鏡的治療が有用であると考えられたため報告する.

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© 2016 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
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