2016 年 58 巻 9 号 p. 1440-1452
表在型食道癌の約6割を占める0-Ⅱc型病変は,EP~SMまでの幅広い深達度を示し,深達度評価が最も重要な病型である.深達度診断をする際には,まず,通常観察で病変の形態,可動性などからおおよその深達度を予測する.T1a-MM以深への浸潤が疑われる場合には,凹凸の目立つ部位に対して拡大観察やEUSを施行し,最深部の深達度,浸潤幅,浸潤様式などを予測する.微小浸潤例ではこの手法を用いても,浸潤を確信することは難しい症例も存在するが,通常観察と拡大観察の間に乖離がある病変,陥凹内に厚みのある病変,typeRを示す病変では,血管変化からは深達度評価が難しい場合があり,EUSが有用である.いずれの方法にも単独では限界があり,総合的に判断することが正確な診断を行う上で重要である.