日本消化器内視鏡学会雑誌
Online ISSN : 1884-5738
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症例
消化管出血を契機に診断しえた腸管症関連T細胞リンパ腫Ⅱ型の1例
武田 輝之 宗 祐人森光 洋介大津 健聖岸 昌廣八坂 太親辛島 嘉彦寺部 寛哉佐々木 英下河邉 正行
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2017 年 59 巻 11 号 p. 2614-2620

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抄録

症例は74歳,女性.主訴は貧血と黒色便.貧血の原因検索目的に施行した腹部造影CT検査で,空腸に限局性の壁肥厚・周囲のリンパ節腫脹を認めた.経口的ダブルバルーン小腸内視鏡検査では,空腸に全周性の潰瘍を認めた.潰瘍辺縁はやや厚みがあり,辺縁は整で,壁伸展も良好であった.潰瘍底には露出血管を伴っており,クリッピングによる止血術を行った.生検病理組織所見よりT細胞性リンパ腫と診断した.小腸部分切除術より得られた切除標本から,腸管症関連T細胞リンパ腫Ⅱ型と診断した.消化管出血を契機に診断しえた腸管症関連T細胞リンパ腫の一例を経験したので報告する.

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© 2017 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
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