日本消化器内視鏡学会雑誌
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手技の解説
超音波内視鏡下胆嚢ドレナージのコツ
松原 三郎 伊佐山 浩通中井 陽介
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2017 年 59 巻 9 号 p. 2428-2442

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抄録

超音波内視鏡下胆嚢ドレナージ(EUS-GBD)は,経皮的ドレナージ同様高い成功率を持ち,経乳頭的ドレナージ同様内瘻化が可能であるという長所を持った,新しい胆嚢ドレナージ法である.Interventional EUSの中でも歴史が浅いためevidenceは少なく,方法論が論じられる機会もほとんどない.炎症で腫大した胆嚢は穿刺は容易だが,膵炎後のwalled-off necrosisと異なり,消化管壁に癒着しておらず,また肝内胆管や膵管の様に実質臓器内で固定されているわけでもない.そのため他のInterventional EUSと比較しても手技中の胆汁漏出が起こりやすく,デバイスの挿入が難しいという特徴がある.また胆嚢の位置にはバリエーションが多く,安全かつ効果的なドレナージを行うためには多くのコツを必要とする.本稿では,EUS-GBDの普及の一助とするため,われわれの施設で実際に行っている方法を詳述する.

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© 2017 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
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