日本消化器内視鏡学会雑誌
Online ISSN : 1884-5738
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症例
2型自己免疫性膵炎を合併した上部消化管病変を伴う潰瘍性大腸炎の1例
岡野 荘 高安 博之安藤 通崇加持 順一郎稙田 充柴山 泰久町村 貴郎平林 健一
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2018 年 60 巻 1 号 p. 34-41

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抄録

症例は38歳男性.4年前から排便回数増加と血便を自覚していた.今回上腹部痛が出現し,改善しないため当院紹介入院となった.上下部内視鏡検査にて全大腸炎型の潰瘍性大腸炎(UC)と胃・十二指腸にUC類似の病変を認めた.同時に,画像診断にて膵腫大,膵管および胆管の狭窄像を認め,膵のEUS-FNAにてgranulocytic epithelial lesions(GEL)像を認め,2型自己免疫性膵炎(AIP)と診断した.プレドニゾロンと5-ASA製剤投与にてUCおよびAIPは寛解した.全大腸炎型UCに,UC類似の上部消化管病変および2型AIPを併発した症例の治療経過を報告する.

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© 2018 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
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