【目的】トレーニー施行のERCにおけるPEP発症危険因子と胆管挿管容認時間について検討した.【対象・方法】胆管挿管を目的としたnative papilla 157例を対象に,胆管挿管成功群(S群)114例と不成功群(F群)43例の2群比較で挿管困難な因子を後方視的に検討し,PEPの危険因子について解析したうえでトレーニーへの胆管挿管許容時間について検討した.【結果】挿管困難な因子は10mm以上の口側隆起で,PEPの危険因子は,トレーニーの挿管時間と10mm未満の口側隆起,メタリックステント留置例であった.挿管許容時間の検討では,PEP発症におけるトレーニーの挿管時間を予測因子としたROC曲線から11分が妥当と考えられた.【結語】挿管時間の延長はPEPの危険因子であり,トレーニーへの許容時間は11分を上限とするのが妥当と考えられた.