2018 年 60 巻 5 号 p. 1107-1115
クローン病患者において,小腸狭窄は重要な合併症であり,その治療については未だ課題が多い.外科的切除で治療しても,クローン病を完治させることはできない.再燃して生じた狭窄に対して外科的切除を繰り返せば,短腸症候群になってしまう.バルーン内視鏡の登場により,深部小腸の狭窄に対する内視鏡的バルーン拡張術も可能となった.バルーン拡張術後に再狭窄することもあるが,繰り返し治療することが可能で,外科的治療を長期にわたって回避できる.本稿では,クローン病小腸狭窄に対する内視鏡的バルーン拡張術について,多数例の治療経験から編み出された戦略や工夫について紹介する.