日本消化器内視鏡学会雑誌
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総説
自己免疫性膵炎の内視鏡診断と治療の最前線
菅野 敦 正宗 淳下瀬川 徹
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2018 年 60 巻 7 号 p. 1295-1308

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抄録

自己免疫性膵炎(AIP)は,膵腫大と主膵管の不整狭細像を特徴とし,しばしば胆管が狭窄するIgG4関連硬化性胆管炎(IgG4-SC)を合併する.内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP)による膵管の不整狭細像はAIPに特徴的であるが,限局性のAIPと膵癌を膵管像から鑑別することは難しい.IgG4-SCにおける胆管狭窄は,胆管癌と比較して狭窄長が長いといった特徴を有するが,胆管像のみによる鑑別は困難である.ERCPに引き続いて行われる管腔内超音波検査による胆管壁の所見は,IgG4-SCと胆管癌の鑑別に有用とされている.超音波内視鏡検査(EUS)は,膵臓の低エコー腫大やIgG4-SCの胆管壁肥厚を描出可能で,Elastographyや造影EUSなどを用いた診断も試みられている.EUSガイド下穿刺吸引法を用いたAIPの組織学的診断の有用性も報告されており,AIPの診断能向上が期待される.AIPの治療は,ステロイドを用いた寛解導入ならびに維持療法が基本であるが,閉塞性黄疸時の胆道ドレナージや膵石治療の適応,さらに再燃時に用いられる免疫調節薬の使用法などについて更なる検討が必要である.

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© 2018 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
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