2018 年 60 巻 9 号 p. 1630
【背景】感染性壊死性膵炎は致死的となる可能性があり,侵襲的な治療の適応のある疾患である.外科的Step-up approachが標準である.有望な代替治療は内視鏡的Step-up approachである.われわれは内視鏡的Step-up approachが外科的Step-up approachよりも臨床的,経済的に優れているか検証するために両方のApproachを比較した.
【対象と方法】今回の多施設共同無作為化比較優性試験では,オランダの19施設から感染性壊死性膵炎を伴う,侵襲的な治療の適応がある成人を登録した. 患者は無作為に内視鏡的(内視鏡群)か外科的なStep-up approach(外科治療群)を行う群に割り付けられた.内視鏡的Step-up approachは超音波内視鏡ガイド下に経消化管壁的にドレナージし,必要であれば内視鏡的Necrosectomyを施行した.外科的Step-up approachは経皮的なドレナージチューブの留置を行い,必要であればビデオ補助下の壊死物質除去術を施行した.主要評価項目は6カ月以内の重篤な偶発症と死亡の組み合わせである.解析は治療企図解析が行われた.本臨床試験はISRCTNに登録した(ISRCTN09186711).
【結果】2011年9月20日から2015年9月20日の期間に膵内外に壊死を伴う418例がスクリーニングされ,98例が登録され,内視鏡的(n=51),外科的(n=47)Step-up approachを行う群に割り付けられた.主要評価項目である重篤な偶発症と死亡は内視鏡治療群22例(43%),外科治療群で21例(45%)認められた(risk ratio [RR] 0・97, 95% CI 0・62‒1・51; p=0・88).死亡率は両群間で差はなく(内視鏡群9例(18%),外科治療群6例(13%); RR 1・38, 95% CI 0・53‒3・59, p=0・50),重篤な偶発症も同様であった.
【考察・結論】感染性壊死性膵炎の治療においては,重篤な偶発症発生率,死亡率の点では内視鏡治療群は外科的治療群よりも優れてはいなかった.しかし,膵液漏,入院期間の長さの点では,内視鏡群が優れていた.本臨床試験の結果からは,内視鏡的治療の方が望ましいと考えられた.