日本消化器内視鏡学会雑誌
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手技の解説
コンベックス走査式EUSによる胆膵領域描出の基本
入澤 篤志
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2019 年 61 巻 4 号 p. 394-404

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要旨

コンベックス走査式EUSを用いた胆膵領域の観察は,胃・十二指腸球部・十二指腸下行部の3領域からの観察を基本とする.まずは各領域で観察起点となる血管(胃:腹部大動脈または門脈,十二指腸球部:門脈,十二指腸下行部:腹部大動脈)を描出し,その後はランドマークとなる周辺臓器や血管(脾臓,腎臓,脾静脈,上腸間膜静脈,門脈,portal confluenceなど)を意識して,観察手順に則り走査することで,胆膵全域の観察すなわちスクリーニングが可能となる.コンベックス走査式EUSを用いた標準的描出法を理解・修得することは,EUS-FNAの高い能力を十分に活かすためにもきわめて重要である.

Ⅰ 緒  言

超音波内視鏡(Endoscopic ultrasound:EUS)には,ラジアル走査式とコンベックス走査式がある.スコープ軸に対して垂直方向の観察が可能なラジアル走査式EUSは1980年代初頭に開発されて以来,胆膵疾患や消化管疾患の画像診断に広く使用されている 1.一方,コンベックス走査式EUS(コンベックスEUS)は近年大きな発展を遂げているInterventional EUSには必須の機器であり 2,本邦でもEUS-FNAの普及に伴い,その販売台数は明らかに増加してきている.しかしながら,コンベックスEUSの確実な描出法を身につけておかねば,EUS-FNAの高い能力を十分に活かすことはできない.また,コンベックスEUSはラジアル走査式EUSと同等もしくはそれ以上の胆膵系観察ができると言っても過言ではなく,胆膵スクリーニングにも大きな力を発揮する 3),4.本稿では,コンベックス走査式EUSによる胆膵領域描出法の基本について,筆者自身のコツなども交えて解説する.

Ⅱ コンベックスEUSの基本的操作

1.スコープ挿入法

コンベックスEUSスコープは,内視鏡画面で見えている画像の先には約10数mmの超音波振動子が存在しており,また,振動子部分も含めた「屈曲しない先端硬性部」は通常の直視スコープに比して明らかに長く,また,メーカー毎に多少の違いはあるが湾曲角度も小さい(Figure 1).スコープを食道に挿入する際にはこの特徴をイメージしながら慎重に操作する必要がある.この操作が不適切であると,先端の振動子によって咽頭喉頭や食道入口部の損傷を起こしてしまう可能性がある.食道への挿入時は,内視鏡画面で喉頭を確認し振動子が左梨状窩に位置されていることを確認後,ゆっくり時計回転を加えながらスコープを挿入する.数回試みても挿入できない時は,鎮静下であれば直視鏡を用いて左梨状窩の位置関係と入口部通過の感覚を確かめるとよい.その後に再度チャレンジすることで挿入可能な場合も少なくない.

Figure 1 

コンベックス走査式EUSと通常内視鏡の先端部の違い.

コンベックス走査式EUSスコープ(B)の先端硬性部(↔)は通常の直視スコープ(A)に比して明らかに長く,湾曲角度が弱い.

なお,食道挿入時のみならず,食道胃接合部・幽門・上十二指腸角を通過する時にも,長い先端硬性部による穿孔などの危険を考えて操作しなくてはならない.幽門輪を越える時はまずダウンアングルでしっかりと幽門の位置を確認し,比較的大きめにアップアングルをかけてスコープ先端(振動子)を幽門輪の小彎側に位置し,その後にややダウンアングルをかけて幽門輪内に落とし込むように操作する.上十二指腸角を越える時は,十二指腸球部で装着バルーンを膨らませ,上十二指腸角にスコープを軽く押し付けながら右アングルとアップアングル操作で下行脚に落とし込むようにする.無理なプッシュ操作は穿孔を起こす危険があるため注意が必要である.

2.スコープ操作と画面

EUS画面に向かって左側がスコープ先端側,右側が手元側である.画面左側に見えている対象を画面左側に移動させる際にはスコープを押し進める(Figure 2-a).また,振動子から遠く(画面下方)に描出されている対象を振動子に近づける際にはアップアングルをかける(Figure 2-b).

Figure 2 

スコープの動きとEUS画面の関係.

a:振動子の先端側で見ている対象物は画面左に描出される.したがって,画面5時方向に対象物を位置させるためにはスコープを押し進める.

b:アップアングルをかけると,画面下に見えている対象物は振動子側に近づいてくる.

上記に加えてスコープ軸の回転操作の理解はきわめて重要である.振動子が背側を向いている時は,時計回転をかければ体腔の左側,反時計回転をかければ体腔の右側が観察される(Figure 3 5.軸回転をかける際には,右手でスコープを捻るのではなく,左肩でスコープの軸を回転させることを心がける(内外旋動作を基本として,そこに軽度の回内外操作を加える).また,EUSスコープの操作時には,通常の上部消化管内視鏡観察時の操作スピードの十分の一くらいの感覚で押し引きや軸回転操作を行うことが肝要である.速い操作ではあっという間に対象物を見失ってしまうことも少なくない.

Figure 3 

スコープの軸回転の理解.

振動子が背側を向いている場合は,スコープを時計回転させると振動子は体腔の左側(膵尾部側)を向き,反時計回転させると振動子は体腔の右側(膵頭部側)を向く.

Ⅲ 走査の実際

1.概略

胆膵領域の走査は,胃,十二指腸球部,十二指腸下行部の3領域からの観察を基本とする.この際に各領域で観察起点(ホームベース)となる血管(胃からは腹部大動脈もしくは門脈,十二指腸球部では門脈,下行部では腹部大動脈)を描出し,その後はランドマークとなる周辺臓器や血管(脾臓,腎臓,脾静脈,上腸間膜静脈,門脈,portal confluenceなど)を意識して,観察手順に則り走査することで,胆膵全域の観察すなわちスクリーニングが可能となる.門脈系血管や胆膵管を連続的に追う走査を基本とするため,対象臓器や血管を同定したら,前述の基本的操作方法を基にスコープを巧みに操り観察する.もし,走査中に対象物を見失い,どこを見ているのかがわからなくなってしまったら,躊躇なく通常の内視鏡画面に切り変えて振動子の位置を確認し,再度ホームベースからの走査を試みるとよい.なお筆者は,経胃→経十二指腸球部→経十二指腸下行部の順で走査することを基本としているが,状況に応じてどの順番で観察しても差し支えない.また,仮に乳頭部が経胃走査で同定できない場合は,経十二指腸走査で乳頭部を観察すればよい.要は上記3領域から胆膵系全域がしっかりと観察されれば問題はない.

2.経胃走査

ホームベースは大動脈もしくは門脈である.経胃走査においては,大動脈もしくは門脈を境として,腹部の左半分と右半分を別々に観察するイメージを持って走査するとよい.膵体尾部は大動脈もしくは門脈の左側に存在しているため,ホームベースからスコープを時計回転させることで観察できる(先に説明したように,振動子が背側を向いている時に体腔の左側を観察する際には時計回転をかける).一方,膵頭部や胆嚢胆管等を見るためには,大動脈もしくは門脈を起点として反時計回転をかける(先程と逆の操作となる).このようなスコープ操作が経胃走査の基本である.

1)大動脈を起点とする方法

①通常,スコープを胃内に挿入すると肝左葉が観察される(Figure 4-a).そこで肝静脈と下大静脈を同定し,その後ゆっくりとスコープに時計回転をかけていくと(概ね180度)腹部大動脈が描出される.その後はゆっくりとスコープを押し進めることで,腹腔動脈分岐部が同定される(Figure 4-b).ここを起点として走査を開始する.この分岐部はトランスデューサーが食道胃接合部を越えた付近,体格にもよるが上切歯列から概ね45cmである.

Figure 4 

経胃走査(大動脈を起点とする方法)におけるチェックポイント.

IVC: inferior vena cava, Ao: Aorta, CA: celiac artery, CHA: common hepatic artery, SA: splenic artery, SV: splenic vein, PV: portal vein, SMV: superior mesenteric vein, Ph: pancreas head, Pb: pancreas body, MPD: main pancreatic duct.

②腹腔動脈を描出したら,若干のダウンアングルをかけてゆっくりと押し進め腹腔動脈を末梢側に追うと,腹腔動脈が総肝動脈と脾動脈に分岐する部分が描出され,脾静脈が脾動脈左下方に観察される(Figure 4-c).脾静脈を頭側にわずかに追うと,脾静脈と上腸間膜静脈が合流して門脈に連なる部分(portal confluence)が描出される(Figure 4-d).

③脾静脈の同定後,その振動子側に描出されている膵体部および主膵管を認識し,スコープに軽く時計回転をかけてやや引きながら膵体部から尾部を観察する(Figure 4-e).Figure 4-eの理解にはFigure 5-aが役立つ.これは,人体を正面から見た図を鏡像とし,150度ほど時計回転したものである.

Figure 5 

各EUS画像のシェーマとの対比.

EUS画像の確実な理解には,シェーマを参照しながらどの位置に何が描出されるのかをしっかり理解することが重要である.

なお,膵尾部がどこまであるかを同定することは困難であり,基本的には上記の操作で脾門部が見えた時点(Figure 4-f)(脾静脈が二股に分かれる付近)で膵尾部まで観察できたと考えてよい.なお,あらかじめCTを撮影していれば,膵尾部端の位置と脾静脈との関係を把握できるためEUS走査の参考となる.

④次に,膵尾部から膵頭部にかけて観察する.この際には先程と逆の操作(体腔の左側から右側に向かって観察するため,スコープに半時計回転をかけながらゆっくり押し進める)を行い,膵尾部から体部まで観察していく.この際に,脾静脈も連続的に観察し,portal confluenceをしっかりと描出する(Figure 4-g).

Figure 4-gの理解には,Figure 5-bが役立つ.これは,人体を正面から見た図を鏡像とし,それを時計方向に130度ほど回転させたものである.このシェーマとEUS画像を対比することで超音波解剖は容易に理解できよう(Figure 5-bに呈示したEUS画像には,実際には胆管と膵管は描出されていない.しかし,この図から胆膵管の走行を想定することは確実な描出の助けになる).

⑤Portal confluenceを同定した後にややスコープを押して上腸間膜静脈を長軸に描出する.この際には上腸間膜静脈の振動子側には主膵管が見えているはずである.スコープにゆっくりと半時計回転をかけて主膵管が上腸間膜静脈を跨ぐ領域(膵頭体移行部付近)を観察する.

なお,主膵管を膵体部から連続して追ってくると,上腸間膜静脈を越えた付近から膵頭部側に追跡することが難しいことがある.これは,スコープ先端の振動子が胃穹窿部(分水嶺)を越えられていないためであり,その場合にはまず通常内視鏡画面にて振動子を胃体下部に位置させてから超音波画面に切り替え,アップアングルをかけた状態で時計軸回転をかけながらゆっくりと引いてくる.この操作により上腸間膜静脈・portal confluenceが描出される.

⑥その後はスコープをゆっくり押し進めながら主膵管を連続的に描出し,乳頭部付近まで追う.この際に,膵管の画面右下方向から胆管が見えてくるため,乳頭部に近い胆膵管を詳細に観察する(Figure 4-h).また,可能であれば主膵管から画面左上に向かって分岐する枝が同定できれば,この分枝膵管を追い膵頭下部もしっかり観察する.この理解にはFigure 5-cを参照されたい.Figure 5-cを見ると,この走査において膵頭下部から膵鉤部がEUS画面のどのあたりに位置しているか推測が可能である.

⑦スコープをやや引きながら胆管を連続的に描出し,肝門部胆管(Figure 6-b)まで観察する.この過程で肝外胆管に合流する胆嚢管と胆嚢頸部も観察することが可能であるが,振動子から遠くなってしまうため胆嚢全体の観察は難しいことが多い.

Figure 6 

経胃走査(門脈を起点とする方法)におけるチェックポイント.

P2: intraheparic portal vein #2, SV: splenic vein, PV: portal vein, SMV: superior mesenteric vein, Ph: pancreas head, Pb: pancreas body, MPD: main pancreatic duct, BD: bile duct.

2)肝門部門脈を起点とする方法

①スコープを胃内に挿入すると肝左葉が観察され,比較的壁の厚い肝内門脈(P2または3)を同定する(Figure 6-a).肝内門脈を見ながらスコープに時計回転をかけて門脈臍部を同定後,ゆっくりとスコープを押し進めると肝門部門脈(Figure 6-b)が描出される.この部分が本走査法におけるホームベースとなる.この際,門脈の振動子遠位側には肝門部胆管が描出されているため,この時点で肝門部胆管を詳細に観察する(この後,可能であればスコープを若干押し進めて遠位胆管まで観察できれば良い).このEUS解剖の理解には,Figure 5-dが役立つ.すなわち,乳頭部はこの画面右下側に位置しているであろうことが推測できる.

②肝門部を観察した後は,肝門部の門脈を見ながらスコープを押し進めるとportal confluenceが描出される(Figure 6-c).この後は「大動脈を起点とする方法」の⑤⑥を行い乳頭部付近を詳細に観察する(Figure 6-d).

③乳頭部を観察した後には,スコープに時計回転をかけて若干引きながら膵頭部から膵尾部まで一気に観察する(「大動脈を起点とする方法」の③を参照).

3.経十二指腸球部走査

十二指腸球部走査でのホームベースは門脈であり,画面左側に描出される.十二指腸球部から見た超音波解剖の理解にはFigure 7-aが役立つ.これは,人体を正面から見た図を鏡像とし,半時計方向に50度ほど回転させたものである.この走査ではスコープ先端が肝臓側を向くため画面左側が肝臓側となる.球部走査では,無理なスコープ操作(特に押し操作)は穿孔の危険性があることを十分に理解しておく.

Figure 7 

各EUS画像のシェーマとの対比.

EUS画像の確実な理解には,シェーマを参照しながらどの位置に何が描出されるのかをしっかり理解することが重要である.

①振動子が球部内に挿入されたら,装着バルーンを膨らませる.その後,軽くアップアングルをかけてスコープを十二指腸壁に押し付けるようにすると,門脈およびportal confluenceが画面左に描出される(Figure 8-aFigure 7-a).その後スコープの軸回転を行い,門脈と振動子の間に肝外胆管を描出する(Figure 8-b).スコープに時計回転をかけながらゆっくりと押すと,肝外胆管が乳頭部付近に向かって長軸に描出される.その際,胆管の画面下方に主膵管が同定できる.

Figure 8 

経十二指腸球部走査におけるチェックポイント.

SV: splenic vein, PV: portal vein, SMV: superior mesenteric vein, Ph: pancreas head, Pb: pancreas body, MPD: main pancreatic duct, BD: bile duct.

②主膵管を見ながらスコープに反時計回転をかけると,主膵管が門脈・上腸間膜静脈を跨ぐところが観察される.この領域が膵頭体移行部付近であり(Figure 7-a参照),経胃走査(大動脈起点法)の⑤と同様の部分を見ていることとなる.

③続いて,再度肝外胆管を描出し,ゆっくり押しながら時計回転をかけて膵頭部から乳頭部付近を観察する(Figure 8-c).乳頭部は一般的には画面右側に描出されてくることが多いが,上十二指腸角の曲がりが弱くスコープが下行部に落ちやすい症例では,画面中央に胆管と主膵管が輪切りの状態で乳頭部付近の描出が得られることもある.何れにしても,胆管と主膵管を丁寧に追うことで乳頭部付近の詳細な観察は可能となる.なお,十二指腸球部からの走査では,膵頭下部の観察は十分にできないことは認識しておく必要がある.

④乳頭部付近の胆管を見ながら,ややダウンアングルをかけながら反時計回転でゆっくり引いてくると,胆管は長軸に描出され肝門部胆管が同定できる(Figure 8-d).

⑤この過程で,肝外胆管に合流する胆嚢管も描出できる.胆嚢管を観察しながらスコープに時計回転あるいは反時計回転(個人差があり決まった方向はない)をかけていくと,胆嚢頸部から底部にかけて全域が観察される.また,この方法で胆嚢の観察が難しい時には,スコープを球部に挿入後,反時計回転をかけて振動子を前壁に向けると胆嚢が描出される(画面左側が頸部のことが多い).

4.経十二指腸下行部走査

十二指腸下行部走査でのホームベースは腹部大動脈である.下行部走査ではスコープの先端は肝臓対側(足側)を向くため画面右に肝臓が位置する(球部走査と反対方向となる).十二指腸下行部から見たEUS解剖の理解にはFigure 7-cが役立つ.これは,人体を正面から見た図を時計方向に75度ほど回転させたものである.この走査では,膵頭下部と乳頭部をしっかりと観察することを心がける必要があるが,このシェーマを見れば,膵頭下部や乳頭部が超音波画面でどのあたりに描出されてくるか概ね理解できよう.

なお,この走査を行うためにはERCPの際と同様にスコープを直線化する必要があるが,この際に穿孔には十分に注意する.筆者は,装着バルーンを膨らませて,右アングルとアップアングル操作でバルーンを上十二指腸角のやや肛門側に位置させ,ゆっくりとスコープを引きながら下行部に落とすようにしている.

①スコープにアップアングルをかけて時計回転を加えながらやや引いてくると横走する腹部大動脈が同定できる.時には左右の総腸骨動脈分岐部分も観察できる(Figure 9-a).その後,スコープをゆっくり引いて大動脈を頭側に追いながら,やや時計回転をかけると十二指腸水平部とその振動子側に膵頭下部から乳頭部付近が描出される(Figure 9-b).なお,膵鉤部は大動脈と上腸間膜静脈の間に描出されてくるが,個人差が大きいためその同定は困難なことも多い.

Figure 9 

経十二指腸下行部走査におけるチェックポイント.

Ao: Aorta, D3: duodenal 3rd portion, PV: portal vein, SMV: superior mesenteric vein, Ph: pancreas head, MPD: main pancreatic duct, BD: bile duct.

②膵頭部を観察しながらさらに時計回転をかけると上腸間膜静脈が長軸に観察される.上腸間膜静脈の振動子側に描出される膵頭下部(Figure 7-cFigure 9-c)を詳細に観察しながらきわめてゆっくりスコープを引いてくると,振動子近傍(画面右側)に低エコー領域が同定されるが,それが十二指腸乳頭領域である.ここでわずかにスコープに時計・反時計回転を加えることにより胆管と主膵管が同定される(Figure 7-dFigure 9-d).十二指腸乳頭部では十二指腸筋層を胆膵管が貫くように観察されるところまで観察する必要がある.

③スコープに時計回転をかけながら若干引き,主膵管を長軸に観察する.その後は再度乳頭部に戻り,スコープに半時計回転をかけて胆管を描出する.そしてスコープをゆっくり引きながら胆管を長軸に観察する.

Ⅳ おわりに

コンベックス走査式EUSの基本的な胆膵走査法について記した.これまでの私の指導経験から,上達の近道はスコープ操作方法の基本をしっかりと体得すること,および超音波画像の理解である.実際のEUS施行時には,今回掲載したシェーマを参照しながらの走査をお勧めする.これにより,EUS解剖はしっかりと理解でき,また,現在見えていない管腔や臓器の位置関係が推定され,一連の走査に「流れ」ができるようになる.本稿が多くのEndosonographerのスキルアップに繋がれば幸いである.

 

本論文内容に関連する著者の利益相反:なし

文 献
 
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