2019 年 61 巻 4 号 p. 417-426
【背景と目的】本研究では,造影ハーモニック超音波内視鏡(contrast-enhanced harmonic EUS:CH-EUS)を併用した超音波内視鏡(endoscopic ultrasonography:EUS)による精査が膵管内乳頭粘液性腫瘍(intraductal papillary mucinous neoplasm:IPMN)に対する外科的切除後の残膵フォローアップに有用であるかを検討した.
【方法】本研究は,単一施設で行われたレトロスペクティブな研究である.2009年4月から2015年3月までにIPMNに対して外科的切除が施行された計134人の患者を対象とした.フォローアップ中における再発率とIPMN併存膵癌の発生率を検討した.また,それらの患者の臨床所見についても検討した.
【結果】134例のIPMNのうち56例(41.8%)が良性,78例(58.2%)が悪性であった.経過観察期間中央値は29カ月であった.33例(24.6%)に対して,造影剤増強コンピュータ断層撮影法(contrast-enhanced computed tomography:CE-CT)にEUSを併用しフォローアップを行った.一方,101例(75.4%)はCE-CTのみによりフォローアップを行った.再発は13例(9.7%)に認め,うち5例が膵内再発,8例が膵外転移であった.1例において,拡張した主膵管内における造影効果のある壁在結節がEUSのみで描出された.2例において,フォローアップ中にIPMN併存膵癌が発生した.それらは小病変であり,CH-EUSでは検出されたが,CE-CTでは検出されなかった.うち1例においては,EUSでは腫瘍が不明瞭であり,CH-EUSが腫瘍の描出に有用であった.
【結語】IPMN切除後フォローアップにEUSを加えることが有用であることが示唆された.