要旨
悪性胃十二指腸閉塞(Gastric outlet obstruction;GOO)は腫瘍による上部消化管の通過障害であり,経口摂取困難に伴う悪液質の進行およびQOLの低下などを来し,予後不良である.従来GOOに対する姑息的治療として外科的胃空腸バイパス術や胃瘻造設術,経鼻胃管留置などが行われてきたが,近年内視鏡的胃十二指腸ステント留置術の安全性および有効性が示され,標準治療の選択肢の一つとして位置づけられるようになってきた.本邦では2010年4月にThrough-the-scopeタイプの胃十二指腸用ステントが保険収載され,多くの施設で用いられている.しかし未だ個々の症例に対する外科的胃空腸バイパス術との選択基準や最適なステント選択については結論が出ていない.また近年,lumen-apposing metal stentを用いた超音波内視鏡ガイド下胃空腸吻合術という画期的な方法が報告され,新たなmodalityとして注目されている.
本稿ではGOOに対する内視鏡的ステント留置術の実際を紹介し,また文献的レビューをするとともにコンセンサスの得られていない新たな課題を明らかにし,今後の展望について述べる.
Ⅰ はじめに
悪性胃十二指腸閉塞(Gastric outlet obstruction;GOO)は,悪性腫瘍により引き起こされる上部消化管の通過障害である.胃癌・膵癌などが主な原因疾患となり,切除不能例の約20%にGOOが生じる
1),2).腫瘍の進行に伴ってGOOが生じると,経口摂取が困難となるだけではなく,持続する嘔気や嘔吐などの症状を来し,quality of lifeが著しく低下する.また低栄養や電解質異常が長期に及ぶと致死的な病態となりうるため,適切な治療が必要である.従来,GOOに対する主な治療選択肢は外科的胃空腸バイパス術であったが,全身状態不良例では手術適応外となり胃瘻造設術や経鼻胃管留置などが余儀なくされていたため,低侵襲な代替治療の開発が望まれていた.
GOOに対する外科的胃空腸バイパス術の代替治療として,1992年にKozarekら,Topazianらにより初めて術後胃に対する金属ステント留置術が報告され
3),4),翌1993年にはSongら,Keymlingらによって胃瘻ルートを用いた金属ステント留置術が報告された
5),6).また本邦からはMaetaniらにより1994年に経口的ステント留置術が報告されたが
7),これら開発当初のステントはいずれも内視鏡の鉗子チャネル内に挿入できなかったため,透視下にガイドワイヤーに沿って留置する必要があり,特に屈曲部や十二指腸遠位へのステント留置は技術的に困難で,患者の苦痛も非常に大きいものであった.その後,医療機器等の発展に伴い,delivery systemが内視鏡の鉗子チャネル内を通過するThrough-the-scopeタイプの自己拡張型金属ステント(Self-expandable metal stent;SEMS)が開発され,1998年に米国で認可された.わが国では長らく薬事承認や保険収載が遅れ,2010年にようやく保険適応となり,簡便かつ負担の少ない低侵襲治療が実現可能となった.
GOOに対する内視鏡的胃十二指腸ステント留置術についてのpooled analysisでは,手技的成功率97.3%,臨床的成功率85.7%と高い安全性および有効性が報告されている
8).内視鏡的胃十二指腸ステント留置術は外科的胃空腸バイパス術と比べ,経口摂取再開までの期間や入院期間が短く,短期偶発症も少ないことから,特に予後が限られた症例で第一選択と考えられている
9),10).しかし,前向き比較試験は限られており,またGOO症例に対する有用な予後予測モデルが確立していないことなどから,両者の治療選択に関する明確なエビデンスはない.
現在,本邦ではcoveredおよびuncoveredタイプを含め4種類のSEMSが臨床使用可能となっている.これまでに種々のステントの臨床試験が報告されているが,coveredあるいはuncovered SEMSの比較では,いずれかの優越性を示す報告は限られており
11),システマティック・レビューでは両者の成績は同等と結論付けられている
12).
近年,Lumen-apposing metal stent(LAMS)を用いた超音波内視鏡ガイド下胃空腸吻合術という画期的な方法が報告され,新たなmodalityとして非常に注目を集め,今後の展開が期待されている.
本稿ではGOOに対する内視鏡的ステント留置術の現状と今後の展望について概説する.
Ⅱ 内視鏡的胃十二指腸ステント留置術
1)内視鏡的胃十二指腸ステント留置術の適応
GOOに対する一般的な治療対象は,根治切除不能進行癌に伴う消化管通過障害により経口摂取が困難となった症例である.内視鏡的胃十二指腸ステント留置術の適応は,患者因子,腫瘍因子,治療因子の3つの要素に基づいて検討するのが望ましい.
まず患者因子として,内視鏡治療に耐えられる全身状態であることが条件となる.GOO発症後の生存期間中央値は背景疾患によらず3カ月弱と報告されており,preterminalな病態と考えられるため
13),安全性への配慮が求められる.具体的には,内視鏡治療に伴う鎮静に対する忍容性や誤嚥性肺炎のリスク,出血傾向などについての評価が必要である.また有腹水例や全身状態不良例では,ステント留置後の臨床的成功率が低いことが報告されており
14),15),risk/benefitについて慎重に検討したうえで,適応を決定するべきである.なお本邦で使用可能なSEMSはいずれもニッケルを含有しており,添付文書にニッケル過敏症の症例ではアレルギー反応を生じる可能性が指摘されている.
GOOの状態を示す指標のひとつとして,GOOスコアリング システム(GOOSS)が広く用いられている(Table 1)
16).本システムは内視鏡やCTなどによる狭窄の評価を必要とせず,経口摂取状況に応じて0-3までスコア化するもので,ステント留置後の治療効果判定などにも用いられている.GOOSS 0-2が主な治療対象となり,内視鏡通過困難な狭窄であってもGOOSS 3は治療適応外とならないことが多い.
次に腫瘍因子として,狭窄部位および全身の腫瘍因子を考慮する必要がある.狭窄部位は十二指腸乳頭部よりも口側をtype1,乳頭部をまたぐ場合をtype2,乳頭部より肛門側をtype3と分類されることが多く,胃癌では主にtype1,膵癌では原発部位によっていずれも生じえる
17).深掘れ潰瘍の症例や比較的狭窄が緩い症例は,穿孔や逸脱のリスクがあることから,慎重に適応を見極める必要がある.また狭窄長も議論となるところである.近年汎用されているThrough-the-scopeタイプのSEMSを用いることにより,ステントを複数本直列につないで留置することが技術的に可能であるが,ステント2本留置は臨床的不成功の危険因子であることが示唆されており
18),狭窄長の長い症例ではステント留置以外の治療法についても検討すべきと考えられる.
全身の腫瘍因子としては,腹膜播種の影響を考慮する必要がある.これまでの報告では腹膜播種による小腸多発狭窄例は適応外と考えられていた.腹膜播種例あるいは腹水を伴う腹膜播種例では内視鏡的胃十二指腸ステント留置術の臨床的成功率が低かったと報告されている
14),19),20).しかし一方,内視鏡的胃十二指腸ステント留置術後の臨床的成功率および再治療率は腹膜播種の有無で,それぞれ81% vs. 84%(p=0.95),18% vs. 27%(p=0.34)と有意差を認めなかったことから,腹膜播種例は必ずしも適応外にはならない可能性が示唆されている
21).
最後に治療因子として,ステント留置後に予定される抗腫瘍療法についても検討する必要がある.近年,抗腫瘍療法の発展に伴い,GOOを来す主な原疾患である胃癌や胆膵癌に対する治療選択肢が多様化している.特に胃癌では免疫チェックポイント阻害薬や分子標的薬などが用いられるようになっている
22)~24).血管新生阻害薬による創傷治癒遅延や消化管穿孔が報告されており,胃十二指腸ステントの安全性については十分なエビデンスが存在しない.GOOに対する治療選択が,抗腫瘍療法の治療選択肢を限定しないような配慮が望ましい.
2)使用デバイスと内視鏡的胃十二指腸ステント留置法
ⅰ)使用デバイス
現在本邦で使用可能な胃十二指腸ステントの多くは,デリバリーシステムが10Fr(3.3mm)となっているため,3.7mm 以上の鉗子チャネル径を持つスコープを用いる必要がある.通常,直視鏡(GIF-2T240;オリンパスメディカルシステムズ株式会社など)が用いられることが多いが,ERCP同時施行例や胃角部まで進展した前庭部閉塞症例・十二指腸水平脚閉塞症例では側視鏡(TJF260V;オリンパスメディカルシステムズ株式会社,ED-580T;富士フイルム株式会社)を選択することもある
25).
造影カテーテルとしては,ガイドワイヤー操作と造影が同時にできるカテーテルの使用が望ましい.基本的にはストレートタイプの造影カテーテルでほとんどの症例が対応可能であるが,内視鏡に対して狭窄部が接線方向になるような症例では,先端を曲げられるERCP用カテーテル(SwingTip;オリンパスメディカルシステムズ株式会社など)を用いると狭窄突破が容易になることがある.
ガイドワイヤーとしてストレートタイプ,アングルタイプ,Jタイプの各種製品が市販されている.狭窄突破時の消化管穿孔の危険性を考慮し,ストレートタイプよりもアングルタイプのガイドワイヤーを選択するのが一般的である.屈曲などにより狭窄突破が困難な場合には,ラジフォーカス(テルモ社)等の親水性軟性ガイドワイヤーを用い,より一層の愛護的な操作が心掛ける必要がある.
留置するステントの形状により,uncoveredタイプ(U-SEMS)とcoveredタイプ(C-SEMS)に大別される.2019年11月現在,わが国で薬事承認を受けThrough-the-scope法に対応している胃十二指腸ステントは,U-SEMSが3種類〔WallFlexTM Duodenal Stent(Boston Scientific社),Niti-STM Pyloric Duodenal D-type Stent(Taewoong Medical社),EvolutionⓇ Duodenal Uncovered Controlled Release Stent(COOK Japan株式会社)〕,C-SEMSが1種類〔Niti-STM Duodenal Comvi Stent(Taewoong Medical社)〕である(Figure 1).
ⅱ)内視鏡的胃十二指腸ステントの留置法
内視鏡的胃十二指腸ステント留置の実際を以下に示す.まず内視鏡を狭窄部近傍まで挿入し,透視下に水様性造影剤を注入して狭窄部を同定する.胆道用ガイドワイヤーと造影カテーテルを用いて狭窄部を探り,ガイドワイヤーに造影カテーテルを追従させ狭窄部を突破する.その後,内視鏡および透視ガイド下にステントの予定留置位置を決定する.狭窄長は造影カテーテル内を通したガイドワイヤーを用いて測定し,狭窄長よりも十分に長いステントを選択する.内視鏡の鉗子チャネル内にステントのdelivery systemをガイドワイヤーに添わせて誘導し,内視鏡および透視ガイド下に狭窄部にステントを留置する(Figure 2).
WallFlexはdelivery systemの中に約2倍の長さで収納されており,展開時の短縮率が高いため,実際のステント長よりも長い距離を覆うことが可能である.すなわち予定留置長が9cmまでであれば6cmのステントを選択し,9-12cmでは9cmのステント,12-15cmでは12cmを目安として選択する.WallFlexは直線化する力が強いため,上十二指腸角や下十二指腸角などの屈曲部に留置する際には,狭窄部と幽門輪の2カ所で固定するよう心掛ける必要がある.ステント近位端を十二指腸球部とした場合に消化管穿孔やkinkを引き起こしやすいため注意が必要である.
Niti-Sでも上述と同様の留置を心掛けるが,ステント長の選択が異なる.WallFlexは引き込むことで位置調整が可能なので短めのステント選択が基本となる.一方でNiti-Sでは短縮率が25%と低く,セルごとに展開されるため,引き込んでの位置調整が不可能である.したがって長めのステント選択が必要となる.すなわち予定留置長が8cmまでであれば8cmのステント,8-10cmでは10cm,10-12cmでは12cmを選択するのがひとつの目安である.
十二指腸閉塞症例では胆管狭窄を合併する場合が多く,胆道ドレナージ法に対する検討も必要となる.すなわち乳頭部にステントがかかる場合には,経乳頭的な胆道ドレナージが困難になる可能性が高く,経皮的あるいは経消化管的胆管ドレナージの可否についても考慮しておくことが望ましい.
3)内視鏡的胃十二指腸ステント留置術の有効性
GOOに対する治療の有効性を評価する指標として,手技成功率,臨床的成功率,ステント開存期間,経口摂取再開までの期間,入院期間,QOLなど種々の指標が用いられている.GOOに対するSEMSの19試験1,281例を含むpooled analysisでは,手技的成功率97.3%,臨床的成功率85.7%と高い成功率が報告されている
8).なお本pooled analysisでは各試験ごとで採用された臨床的成功率をそのまま統合して示しており,同一のアウトカムに対する成績を示したものでないことに留意が必要である.共通の評価法に基づいて治療成績を報告するためには,内視鏡的胃十二指腸ステント留置術の有効性に関する指標を定義する必要があり,今後の検討課題のひとつである.
内視鏡的胃十二指腸ステント留置術後の経口摂取再開までの期間は0-5日,入院期間2-16日前後であり,良好な短期成績が示されている(Table 2).一方で,GOO発症からの生存期間は背景疾患によらず3カ月弱であることが報告されており(膵癌2.7カ月vs. 膵癌以外2.4カ月)
13),予後は限られた対象であると言える.ステント開存期間中央値は68-307日で,ステント機能不全の頻度は19.6%と報告されている.その主たる原因は再閉塞12.6%,逸脱4.3%で,再閉塞はU-SEMSで多く(14.9% vs. 5.1%,p<0.001),逸脱はC-SEMSで多い(10.9% vs. 2.2%,p<0.001)ことが示されている.また,その他の原因としてステント拡張不良0.9%,食残閉塞0.7%,ステント破損0.5%などが報告されている
8).
4)内視鏡的胃十二指腸ステント留置術の安全性
各ステントの添付文書には生じうる重篤な有害事象として,出血,穿孔,膵炎,胆管炎,感染症(局所感染,腹膜炎,敗血症等)に加え,疼痛,異物感,腸嵌頓,消化管逆流,びらん(潰瘍形成等)などが挙げられている.なかでも最も懸念されるのは穿孔であり,前述のpooled analysisでは1.2%に生じることが報告されている
8).出血は全体で4.1%に生じるが,輸血などの処置を要する重篤なものの頻度は0.8%と比較的少ない
8).ステントが乳頭を被覆する場合には,胆汁あるいは膵液の流出障害に伴う胆管炎や膵炎のリスクがあり,理論上,特にC-SEMSでより懸念されるが,乳頭被覆症例におけるU-SEMSとC-SEMSの比較において,治療後の肝胆道系酵素の検査値や胆管外瘻を要する頻度に両群間で差はなく,C-SEMSの使用は必ずしも適応外ではないことが示唆されている
26).
Ⅲ 胃十二指腸ステントと胃空腸バイパス術の比較
GOOに対する主な治療選択肢は外科的胃空腸バイパス術であったが,低侵襲な代替治療として胃十二指腸ステント留置術が開発されてきた.これまでに報告されている胃十二指腸ステントと胃空腸バイパス術の比較をTable 2に示す
10),27)~35).内視鏡的胃十二指腸ステント留置術は胃空腸バイパス術と比べ,経口摂取再開までの期間や入院期間が短く,短期偶発症も少ないことが示されている.そのため,特に予後が限られた症例で第一選択と考えられており,膵癌に伴うGOOに対する治療選択として,日本膵臓学会の膵癌診療ガイドライン2013年版,NCCNガイドライン2017年版,ESMOガイドライン2015年版ではいずれも推奨度は高くないものの,共通して「長期予後の期待できる症例では外科的胃空腸バイパス術,全身状態不良例では低侵襲な内視鏡的ステント留置術」を考慮してよいと位置づけられている.しかし,この推奨については,いくつか議論すべき点が含まれる.
Table 2に示したように,これまでの外科的胃空腸バイパス術と内視鏡的ステント留置術の前向き比較試験はいずれも片群20例前後の少数例での検討である
10),36),37).日本膵臓学会およびNCCNのいずれのガイドラインにも引用されているSUSTENT studyは,試験期間中に77人の登録可能症例があったにも関わらず,38人がステント治療を希望して試験への参加を拒否し,バイパス群18人,ステント群21人の合計39人での比較試験である.軟菜食以上を摂取可能(GOOSS score>2)となるまでの期間中央値がステント群で5日,バイパス群で8日とステント群でGOO症状の早期改善効果に優れることが示された一方,GOOSS score>2を維持する期間はステント群で50日,バイパス群で72日とバイパス群の有効性が示された.そのため,特に2カ月以上の生存が期待される症例ではバイパス群を推奨すると結論付けている
10).他の比較試験でも同様に長期生存例ではバイパス術が良好な結果を示すことが報告されているが,SUSTENT試験のentry状況を考慮すると,実臨床では低侵襲なステント留置術がより好まれる傾向にあると考えられる.
近年,患者背景をpropensity scoreによりマッチさせたステント留置術と胃空腸バイパス術の後向き比較では,バイパス群で生存期間が長く,ステントよりもバイパスの治療成績が良好であったと報告されており
33),35),いずれかの治療法の優劣については結論が出ていない.
前述のSUSTENT studyの筆者らは,retrospectiveな検討によりGOO治療前のWHO performance scoreが予後予測に有用であることを報告している.すなわちGOO治療後の生存期間中央値はWHO performance score 0-1で139日,2で69日,3-4で31日と層別化され,PS 0-1ではバイパス術,2では症例に応じてバイパス術あるいはステント留置,3-4ではステント留置を推奨している
38).適切なデザインによる前向き比較試験が望まれるとともに,予後予測モデルに基づく最適な治療アルゴリズムの確立が求められる.
Ⅳ 胃十二指腸ステント間の比較;covered SEMS vs. uncovered SEMS
用いられるステントとして,カバーの有無によりC-SEMSとU-SEMSがある.U-SEMSは開発当初より使用されてきたステントである.メッシュ間隙に消化管粘膜が埋没するため,留置後のステント逸脱のリスクはきわめて低いが,腫瘍のステント内増殖(tumor ingrowth)やhyperplasiaによるステント閉塞が問題となり,その頻度は約20%と報告されている
39)~41).tumor ingrowthの予防によるステントの開存性向上への期待からC-SEMSが開発され,ingrowthの低減の可能性が示された(ingrowth発生率1-3%)
42)~44).
両ステントの治療成績を比較したメタ解析(ランダム化試験5,前向き試験1,後向きの試験7の合計13論文)では,C-SEMSではステント閉塞が少ないが〔RR(risk ratio)0.44,95%CI,0.28-0.68〕,ステント逸脱が多く(RR 4.28,95%CI,2.89-6.349),全体としての開存率に差はないと結論付けられている(RR 1.02,95% CI,0.79-1.32)
12).この結果は,C-SEMSにおけるtumor ingrowthの抑制という利点が逸脱のリスクにより相殺されてしまうためと推察される.したがって開存期間の向上のためには,tumor ingrowthとステント逸脱の克服が必要と考えられ,現在も最適なステントデザインの検討が進行している.
現在,どちらのSEMSを使用すべきであるかという点については依然として議論があり,今後,大規模RCTによるさらなる検討が必要と思われる.
Ⅴ 胃十二指腸ステントと化学療法の関係
最近のシステマティック・レビューにおいて胃十二指腸ステント留置術は外科的バイパス術と比較して,より速やかにGOOに関連する症状を緩和することが示されていることから
45),胃十二指腸ステント留置術は化学療法の早期導入あるいは再開を可能にすることが期待される.化学療法は胃十二指腸ステント留置後の経口摂取可能期間やステント開存期間の延長に寄与する可能性が示唆されている
46).一方で,化学療法とステント逸脱の関連性を示す報告や化学療法の施行によりre-interventionが増えるという報告もあり
46)~48),化学療法の施行が胃十二指腸ステントに与える影響については,今後さらなる検討が必要である.
近年,前治療歴のある進行胃癌患者を対象としたラムシルマブとパクリタキセル併用投与による国際共同第3相無作為比較試験(RAINBOW試験)やラムシルマブ単独投与による第3相無作為比較試験(REGARD試験)において,ラムシルマブ投与に伴う全生存期間と無増悪生存期間の延長が示され,2015年にわが国でも「治癒切除不能な進行・再発の胃癌」に対して薬事承認された
23),24).ラムシルマブは血管内皮増殖因子受容体-2に対する完全ヒトモノクローナルIgG1抗体で,血管新生を阻害することで腫瘍増殖を抑制する.詳細な機序は明らかになっていないが,血管新生阻害に伴う潰瘍・粘膜障害の創傷治癒遅延により消化管穿孔が約1%程度に生じると報告されている
23),24),49),50).これまでのところラムシルマブ使用例に対するステント留置の是非に関する結論は出ていないが,大腸領域ではべバシズマブなどの血管新生阻害薬の投与症例に対するステント留置は控えるようガイドラインで推奨されており
51),本剤投与中あるいは投与可能性のある胃癌GOO症例に対する胃十二指腸ステントの適応については慎重に検討していく必要がある.
Ⅵ 超音波内視鏡ガイド下胃空腸吻合術
近年,超音波内視鏡(Endoscopic ultrasound;EUS)を用いた胆膵疾患に対する治療の安全性および有効性が数多く報告されている.EUSガイド下胃空腸吻合術は経消化管的に消化管外の臓器・病変にアプローチすることを可能とし,膵周囲液体貯留(仮性嚢胞や被包化壊死)に対する治療に始まり,現在では胆道や膵管という管腔臓器のドレーナジへと対象が広がりつつあり,非常に注目されている.
近年,Lumen-apposing metal stent(LAMS)という超音波内視鏡下治療専用の新たな金属ステントが開発された(Figure 3;Hot AXIOSシステム,ボストン・サイエンティフィック ジャパン株式会社).LAMSは両端に大きな張り出し(flange)を有し,経消化管的に消化管壁と穿刺対象を引き寄せて瘻孔を形成することができるステントである.このような専用処置具の開発に伴い,悪性胃十二指腸狭窄に対する超音波内視鏡下胃空腸吻合術という画期的な治療法が報告された
52)~54).本治療は胃から狭窄より肛門側の腸管を超音波内視鏡下に穿刺し,LAMSを用いて胃空腸間に瘻孔を形成するというものである.従来の内視鏡的胃十二指腸ステント留置術と異なり,腫瘍による狭窄部を介さず胃からの流出路を形成することから,tumor ingrowth/overgrowthのリスクが低減されるため,長期にわたるステント開存が期待される治療法である.一方で,狭窄遠位の可動性のある非拡張腸管を穿刺するため手技的難易度が高く,安全性に留意が必要であった.これを克服するため,専用デバイスを用いて遠位空腸で膨らませたバルーンを穿刺する方法やバルーン間に水を貯めて腸管を膨らませて穿刺対象にするという工夫がなされ,本手技の忍容性が示されている
52),55).
また報告数は限られているものの,これまでに腹腔鏡下胃空腸吻合術や内視鏡的胃十二指腸ステント留置術との後ろ向き比較により,EUSガイド下胃空腸吻合術の有効性および安全性が示され,新規治療としての可能性を秘めた治療法と期待されている
56)~58).今後の臨床研究により,長期予後やコストなどの課題も含め,一定の見解が示されるものと考えられる.
なおわが国ではHot AxiosシステムのみがLAMSとして薬事承認され,「胃壁または腸壁に密着している,症候性膵仮性嚢胞または70%以上の液体成分を認める症候性被包化」のみを対象とし,一部の術者・施設において使用が認められているのが現状である.つまり悪性胃十二指腸狭窄に対するLAMSを用いたEUSガイド下胃空腸吻合術は実臨床としてではなく,臨床研究として評価されるべき状況である.
Ⅶ 今後の展望
今後期待される新たなSEMSとして,生体吸収性ステント,薬剤溶出性ステント,放射性ステントなどの開発も進んでおり
59)~61),悪性腫瘍による狭窄に対する局所コントロールだけでなく,良性狭窄への応用も期待される.
また前述のようにEUSガイド下胃空腸吻合術という新たな内視鏡的治療が報告され
62),63),今後の評価が待たれるところである.腹腔鏡を用いた外科的なアプローチも,より洗練され低侵襲化の方向へ進んでいくものと思われる.根治切除不能な悪性腫瘍による胃十二指腸閉塞のmanagementは,QOL改善を目的とした緩和的治療という位置づけから,抗腫瘍療法を安全かつ有効に施行可能とする治療へ役割が変遷していくことが期待されるため,ステント治療のさらなる成績向上が急務である.双方の発展によりGOOを来す悪性腫瘍の予後が改善されることを祈念する.
本論文内容に関連する著者の利益相反:中井陽介(ボストンサイエンティフィックジャパン株式会社および富士フイルム株式会社より研究費を受領)
文 献
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