小児消化器診療では小児特有の疾患・鎮静法などから小児科医による消化器内視鏡検査が望ましい.本邦では小児消化器内視鏡医が内視鏡を学ぶ機会は限られ,内視鏡技術の向上・維持としての件数は小児症例のみでは十分ではない.当院では小児科医が小児科業務と平行して消化器内科の協力のもと,成人症例を対象とし,週1回の内視鏡研修,「小児科業務並行型研修」を行っている.本研修では年間300件以上の内視鏡を経験でき,技術的に十分な成果を得ている.小児科医のための内視鏡研修のモデルケースの1つとして当院の研修内容とその成果を報告する.本邦において小児消化器内視鏡研修体制の確立のためには成人消化器内科の協力が必要である.