便秘症は一般診療で遭遇する機会の多い疾患であり,近年,慢性便秘症が生命予後に影響することが示され,便秘症診療が注目されている.慢性便秘症と大腸癌の関係について,便秘という要因だけで大腸内視鏡検査を施行した場合,大腸癌など有意所見の発見率は増加しない.大腸黒皮症患者では,大腸内視鏡検査による大腸腫瘍の発見率は増加する.また慢性便秘症と大腸憩室症について有意な関連はないとされている.慢性便秘症診療における大腸内視鏡検査は,大腸癌をはじめとする器質的疾患および大腸黒皮症,孤立性直腸潰瘍症候群/粘膜脱症候群,宿便性潰瘍など便秘症に関連する大腸疾患の診断に有用である.また内視鏡的バルーン拡張術,大腸ステント留置術,内視鏡的盲腸瘻造設術など便秘症に対する内視鏡治療の役割も担っている.