2021 年 63 巻 10 号 p. 2214-2220
大腸ステントは大腸悪性狭窄に対する手術前の腸管減圧や緩和治療目的に使用される.主な偶発症に穿孔,逸脱がある.症例は78歳,男性.腹部膨満感,腹痛を主訴に来院し,S状結腸癌による大腸閉塞と診断した.緩和目的の大腸ステント留置を希望されたが,留置時に腫瘍口側へ逸脱をきたした.直ちに2本目のステントを適切な位置に留置し,後日内視鏡的に回収を試みる方針とした.逸脱ステントを安全に回収するため,腫瘍部のステントにバルーン拡張を併用し,スライディングチューブを挿入し,スネアで逸脱ステントを把持し,チューブ内に収納し回収した.スライディングチューブを用いた内視鏡的な逸脱ステント回収は安全かつ有用な方法と考える.