日本消化器内視鏡学会雑誌
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肥満治療目的の内視鏡的スリーブ胃形成術の5年成績
貝瀬 満
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2021 年 63 巻 10 号 p. 2283

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抄録

【背景】内視鏡スリーブ胃形成術(Endoscopic Sleeve Gastroplasty:ESG)は肥満治療の有効な選択肢であるが,長期的な有効性と安全性は知られていない.

【方法】単施設(New York-Presbyterian Hospital,USA)で2013年8月から2019年8月までESGを受けたBMI>30kg/m2(併存疾患がある場合>27)の患者216人(68%女性,平均年齢46±13歳,平均BMI 39±6kg/m2)を前向き登録し,最大5年間追跡した.

【結果】216人のうち203人,96人,68人が1年,3年,5年のフォローアップの対象となり,1年,3年,5年の完全なフォローアップ率はそれぞれ70%,71%,82%であった.5年後の総体重減少率(TBWL,%)は15.9%(95%CI,11.7-20.5,p<.001)であり,患者の90%と61%がそれぞれ5%と10%のTBWLを維持していた.重度または致命的有害事象はなく,全体で1.3%の中程度有害事象(2例にESG直後ドレナージ・抗生剤治療を要する胃周囲炎症,1例に1.5年後発症腹痛;縫合糸切除で改善)が発生した.

【結論】ESGは安全で効果的な肥満治療であり,処置後少なくとも5年間は長期的な結果が持続することが示唆された.ESGは肥満治療の信頼できるオプションとして考慮されるべきである.

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© 2021 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
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