2021 年 63 巻 12 号 p. 2441-2452
近年,次世代シ―ケンシング(NGS:next-generation sequencing)技術に基づく腫瘍のゲノムプロファイリングにより,進行癌に対するprecision medicineが実用化している.EUS-FNAは膵癌における病理診断において重要な役割を果たしてきたが,近年こうしたprecision medicineの導入を背景に,より多くの良質な“組織採取”という方向性のもと穿刺針や穿刺法などの検討が行われている.EUS-FNA検体を用いた膵癌NGS解析は解決すべき課題も多くその有用性は確立されたものではないが,近年,遺伝子パネル解析によるドライバー変異の同定にとどまらず,全エクソン/全トランスクリプトーム解析などの網羅的解析や患者由来オルガノイドモデル構築など,さらなる先進的な検討も試みられている.本稿ではEUS-FNA検体を用いた膵癌ゲノムプロファイリングについて文献的なレビューを行い,現状と課題について考察する.