2021 年 63 巻 4 号 p. 377-390
従来消化器内視鏡を介した様々な感染事故が報告され,近年欧米やわが国の学会より感染防止のためのガイドラインが作成・改訂されてきた.内視鏡機器の再生処理は標準予防策に従い,スコープは1回使用毎に高水準消毒を行い,内視鏡処置具は滅菌ないしディスポーザブル処置具を用いる.内視鏡従事者は内視鏡室が被検者の体液や血液が飛び交う不潔な環境下にあることをよく認識し,患者間の感染防止だけでなく自分自身への感染予防にも配慮して常に個人用防護具を着用して内視鏡診療に当たる.また,内視鏡従事者自身が汚染源にならないように,「清潔」と「不潔」の区別をいつも意識して行動するように努める.感染症対策を適切に実行するためには内視鏡室の責任医師が感染管理のリーダーとなり,内視鏡機器の再生処理がガイドラインを遵守してできる体制を積極的に整えるとともに,スタッフへの啓発と教育を継続して行う必要がある.