2021 年 63 巻 6 号 p. 1207-1217
近年の内視鏡診断技術の進歩により,咽頭領域においても食道癌の内視鏡診断技術を応用することにより,多くの表在癌が発見されるようになった.患者背景は食道癌と類似しており,効率的に咽頭表在癌を発見するためには,高リスク群の絞り込みが重要である.これらの咽頭表在癌症例は,消化器内視鏡医と頭頸科医との協力により,低侵襲に内視鏡治療が可能であるが,喉頭浮腫など,この領域独特の合併症に留意する必要がある.現時点で内視鏡治療の明確な適応基準は定められていないが,術後リンパ節転移症例の蓄積により,転移リスクは明らかになりつつある.咽頭領域は,頸部リンパ節転移が明らかになってから郭清手術を行っても,しばしば根治可能である.