2022 年 64 巻 11 号 p. 2353-2363
内視鏡診療において,正確な病理診断を行うことは必要不可欠であり,内視鏡医と病理医が協力して診療をしていくことが求められる.内視鏡医は,検体採取や検体処理など,病理診断全体における重要な役割の一端を担っている.“病理”とは,病理診断だけではなく,病理検体の処理から病理診断,病理診断書の解釈までの病理診断に関わるすべてを包括している.“病理”は,内視鏡医が関わる病理検体の処理から既に始まっているのである.そのため,内視鏡医も“病理”についての知識を深めることは,病理診断能の向上に役立つ.今回は,内視鏡医が覚えておくべき病理検体の取り扱い方について概説する.