日本消化器内視鏡学会雑誌
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総説
光線力学療法の現状と展望
矢野 友規 橋本 裕輔依田 雄介
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2022 年 64 巻 3 号 p. 229-238

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抄録

光線力学療法(PDT:photodynamic therapy)は,腫瘍親和性光感受性物質(PS:photosensitizer)とPSの吸収波長に特化した励起レーザーを用いたがんに対する治療方法である.第1世代PSを用いたPDTは,1990年代に早期胃がん,表在性食道がんに対する治療として薬事承認されたが,4-6週間の遮光期間が必要なこと,ESDの開発によって活躍の場を失った.欧米では,バレット食道に対するアブレーション治療,進行食道がんや胆道がんの症状緩和目的治療として良好な治療成績の報告があるが,現在では薬剤を用いないラジオ波アブレーションなどの治療が主流である.近年開発された,遮光期間が短く日光過敏症が少なくなった第2世代PSを用いたPDTは,放射線治療後遺残再発食道がんに対する開発が進み,医師主導治験の良好な治療成績によって,2015年に薬事承認が得られた.第2世代PDTは少しずつ普及が進んでいるが,消化器がんでは再発食道がんにしか承認されておらず,対象となる症例は少ない.今後,PDTが消化器がんの治療において,その適応を拡大しさらに普及するためには解決すべき課題も多い.

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© 2022 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
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