2022 年 64 巻 5 号 p. 1174-1175
【背景と目的】消化管早期癌への内視鏡的粘膜下層剝離術(ESD)の有効性は確立されているものの,欧米からの多施設集約データは未だ少ない.今回ドイツにおける多施設前向きESDレジストリーを用いてその有効性を評価した.
【方法】参加20施設,観察期間延べ35カ月,腫瘍性病変1,000件へ施行されたESDを解析した.一括切除,根治切除,再発率(12カ月以内)を主要評価項目とし,参加施設の症例数に応じた評価を行い,非根治切除に相関する危険因子を多変量解析で評価した.
【結果】一括切除,根治切除,再発率はそれぞれ92.4%,72.3%,2.1%であり,合併症発症は8.3%であった.すべての評価項目において,症例数の多い(年間51件以上施行)施設はそれ以外と比べて正の相関関係が認められた.病変の大きさ,T1b病変,年齢,ハイブリッドESDの施行,施設の症例数(年間50件以下)が非根治切除に相関する危険因子であった.
【結論】ドイツで施行されたESDは良好な一括切除率が得られたが根治切除率向上には未だに改良の余地があり,高い技術精度の必要性と病院間による結果の差が示された.