日本消化器内視鏡学会雑誌
Online ISSN : 1884-5738
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64 巻, 5 号
選択された号の論文の17件中1~17を表示しています
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総説
原著
  • 阿尾 理一, 梶原 由規, 神藤 英二, 岡本 耕一, 白石 壮宏, 永田 健, 安部 紘生, 島崎 英幸, 穂苅 量太, 上野 秀樹
    2022 年 64 巻 5 号 p. 1099-1105
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/05/20
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    【背景・目的】下部直腸癌に対する手術では肛門側断端距離(DM, distal margin)の確保が重要である.術前内視鏡検査において,腫瘍下縁から肛門側方向へ延びる柱状の粘膜隆起(柱状隆起)がしばしば認められる.今回,DMの確保に柱状隆起を考慮すべきか検討した.

    【方法】下部直腸癌94例を対象とし,柱状隆起と腫瘍の肛門側壁内進展との関係について評価した.

    【結果】柱状隆起を10.6%に認めた.柱状隆起陽性例の60.0%に腫瘍の肛門側壁内進展を認め,陰性例(9.5%)と比較し有意に高率であった(P=0.0006).一方,柱状隆起の長さと壁内進展距離とは一致せず,柱状隆起陽性例の壁内進展距離(平均4.9mm)は陰性例(同6.4mm)と比較して短かった.

    【結論】下部直腸癌における柱状隆起は腫瘍の直接浸潤そのものを示す所見ではなく,柱状隆起が存在してもガイドライン通りのDM確保で根治性は損なわれないと考えられた.

症例
経験
注目の画像
手技の解説
  • 山下 賢, 岡 志郎, 田中 信治
    2022 年 64 巻 5 号 p. 1140-1146
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/05/20
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    Red Dichromatic Imaging(RDI)は3種類の特定の波長光を照射し,コントラストを形成する新規画像強調内視鏡(Image-enhanced endoscopy:IEE)である.光の強調処理の違いにより3種類のmodeに分けられ,各modeの特性に応じた効果が期待される.大腸ESDではmode1とmode2を状況に応じて使用する.RDIの効果としては,①深部組織の視認性を向上する,②動静脈の鑑別を容易にする,③出血時の迅速な止血を可能にする,④脂肪によるレンズの曇りを改善する,などが挙げられる.術者はRDIの特性を十分に理解し,状況に応じて使用することが望ましい.

  • 石井 重登, 藤澤 聡郎, 伊佐山 浩通
    2022 年 64 巻 5 号 p. 1147-1157
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/05/20
    ジャーナル 認証あり HTML

    小児に対する胆膵内視鏡は技術的難易度が高く,重篤な偶発症リスクも高い.頻度が低く専門家も少ないために施行体制が構築されていない施設も多いと考えられる.また,専用の内視鏡,治療デバイスがないことも問題である.当科では,比較的多数の症例を定期的に治療している.その際には成人用のスコープ,デバイスを使用し,小児科・小児外科のサポートにより鎮静下で施行している.また,全身麻酔の際にも院内の連携によりスムースに手術室が使用できる体制も構築している.今回は治療内容の説明と同意,麻酔,実際の手技,などについて解説し,われわれが取り組んでいる院内連携について紹介する.また,小児においては身体面のみならず精神面においても成人以上に配慮する必要があり,実際に注意している点についても言及する.

資料
  • 松本 和也, 原 和生, 安田 一朗, 糸井 隆夫, 菓 裕貴, 松本 慎平, 土井 晋平, 本定 三季, 武田 洋平, 渋谷 仁, 野間 ...
    2022 年 64 巻 5 号 p. 1158-1166
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/05/20
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    【目的】超音波内視鏡下生検(Endoscopic ultrasound-guided fine-needle biopsy:EUS-FNB)は細い針を用いるため,組織学的エビデンスがサンプル内に含まれているか否かが不明瞭である.われわれは標的検体確認照明器(Target sample check illuminator:TSCI)の有用性を多施設共同前向き試験にて確認した.

    【方法】われわれは,52例の症例を登録した.採取されたEUS-FNBサンプルは,通常法(通常光による目視確認)およびTSCI法(TSCIを用いた目視確認)を用いてサンプル内に標的検体が存在するか否かを評価した後,病理組織学的診断を行った.通常法とTSCI法における標的検体有無の病理学的診断との一致率および診断能に対し個別に評価した.

    【結果】通常法とTSCI法によるサンプル内への標的検体有無の一致率に関しては,(ⅰ)全症例で感度51.0%(25/49) vs 95.9%(47/49)(P=0.001),特異度100%(3/3) vs 66.7%(2/3),陽性的中率100%(25/25) vs 97.9%(47/48),陰性的中率11.1%(3/27) vs 50.0%(2/4)(P=0.002);(ⅱ)膵腫瘤で感度28.0%(7/25) vs 96.0%(24/25)(P<0.001),特異度100%(2/2) vs 100%(2/2),陽性的中率100%(7/7) vs 100%(24/24),陰性的中率10.0%(2/20) vs 66.7%(2/3)(P<0.001)で,TSCI法は通常法に比較して感度および陰性的中率において有意に良好であった.(ⅲ)リンパ節腫瘤においては感度75.0%(18/24) vs 95.8%(23/24)(P=0.025),特異度100%(1/1) vs 0%(0/1),陽性的中率100%(18/18) vs 95.8%(23/24),陰性的中率14.3%(1/7) vs 0%(0/1)であった.

    【結語】TSCI法は膵腫瘤におけるEUS-FNBの感度,陰性的中率,正診率を改善した.EUS-FNB施行時に迅速細胞診が困難で,採取されたサンプルが微量である場合,TSCI法は非常に有用である(標的検体確認照明器の有用性に対する多施設共同試験,Clinical Trial ID:UMIN000023349).

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