日本消化器内視鏡学会雑誌
Online ISSN : 1884-5738
Print ISSN : 0387-1207
ISSN-L : 0387-1207
最新文献紹介
悪性胃排出路閉塞に対する超音波内視鏡下胃空腸吻合術と十二指腸ステント留置術,腹腔鏡下胃空腸吻合術
阿部 展次
著者情報
ジャーナル フリー HTML

2023 年 65 巻 11 号 p. 2357

詳細
抄録

【目的】悪性胃排出路閉塞に対する超音波内視鏡下胃空腸吻合術,腹腔鏡下胃空腸吻合術,十二指腸ステント留置術の成績を比較検討する.

【方法】2012年から2020年の期間で,超音波内視鏡下胃空腸吻合術,腹腔鏡下胃空腸吻合術,ステント留置術が行われた症例を対象とし,後ろ向きに治療成績を比較検討した.治療成績は技術的成功率・臨床奏効率,術後30日以内の合併症率・死亡率,術前後のgastric outlet obstruction score(GOO score)などとした.

【結果】114例の患者(超音波内視鏡下胃空腸吻合術30例,腹腔鏡下胃空腸吻合術35例,ステント留置術49例)を対象とした.技術的成功率は各々93.3%,100%,100%(p=0.058),臨床奏効率は各々93.3%,80%,87.8%(p=0.058)であった.処置時間は有意に腹腔鏡下胃空腸吻合術が長かった.超音波内視鏡下胃空腸吻合術のグループでは有意に在院期間が短く(各々1.5日,7日,5日),閉塞再発率/要再処置率が低かった(各々3.3%/3.3%,17.1%/17.1%,36.7%/26.5%).1カ月後のGOO scoreは超音波内視鏡下胃空腸吻合術のグループで最も高値であった(各々3,3,2).

【結論】超音波内視鏡下胃空腸吻合術は腹腔鏡下胃空腸吻合術やステント留置術よりも臨床成績は良好であった.超音波内視鏡下胃空腸吻合術に熟練した内視鏡医がいる場合は,悪性胃排出路閉塞に対する治療法として本法はベストな選択肢になり得ると考えられた.

著者関連情報
© 2023 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
前の記事 次の記事
feedback
Top