2023 年 65 巻 12 号 p. 2413-2420
症例は71歳,男性.55歳からC型肝硬変にて当院通院中であった.肝細胞癌再発に対して肝動脈塞栓術やラジオ波焼灼療法を複数回行われており,70歳時には陽子線治療,肝動脈塞栓術が行われた.その後の画像検査では再発所見なく経過していたが,門脈血栓を生じ抗血栓療法が開始された.今回,胆道出血による閉塞性胆管炎を発症し,出血源の精査目的に行った経口胆道鏡で前区域枝根部に白苔の付着した易出血性の腫瘤を認めた.生検では壊死・変性を伴うGlypican-3陽性の異型細胞を認め,肝細胞癌胆管浸潤と診断して肝癌薬物療法を導入した.肝細胞癌の再発を経口胆道鏡でのみ診断しえた症例は稀であり文献的考察を加えて報告する.