日本消化器内視鏡学会雑誌
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手技の解説
大腸ESDにおける内視鏡的手縫い縫合法
豊嶋 直也 阿部 清一郎斎藤 豊
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2023 年 65 巻 4 号 p. 376-384

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抄録

従来,内視鏡治療による遅発性穿孔や後出血に対する予防策として主にクリップを用いた縫縮が行われていた.近年,新たな縫縮方法としてGotoらによって開発された軟性持針器と縫合糸を用いた内視鏡的手縫い縫合法の出現により,クリップ縫縮より強固で確実な創閉鎖が可能になった.内視鏡的手縫い縫合法とは管腔内で内視鏡単独で外科手術の縫合と同様な手技が行える方法である.新内視鏡用軟性持針器を用いて手術で使用されている外科用縫合糸を対象部位まで運び,その後灣曲針を把持し粘膜下層まで縫合糸を通して連続縫合することが可能であるため,従来のクリップ縫縮と比較し,より信頼性の高い縫合をすることができるため,遅発性合併症の予防が期待される.胃を対象として開発された当手技であるが大腸病変に対しても応用可能であり,本稿では大腸ESD後の潰瘍底に対する内視鏡的手縫い縫合法について概説する.

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© 2023 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
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