日本消化器内視鏡学会雑誌
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総説
Gel immersion法を応用した様々な内視鏡手技
矢野 智則 高岡 良成中澤 克行
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2023 年 65 巻 9 号 p. 1393-1404

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抄録

透明なgelを管腔内に注入して視野確保するgel immersion法は2016年に初めて報告された.Gelの粘性により血液・腸液や食物残渣と混ざり合わずに押しのけて透明な作業空間を作りだし,透明な視野が確保できる.この方法に最適化したgelであるビスコクリアが医療機器として2020年10月に発売され,内視鏡的止血術だけでなく,ESD,EMR,EUS,捻転整復,異物回収など様々な内視鏡手技に応用できることが報告されている.内腔を虚脱させた状態でも視野確保できるため,スコープの撓みが抑制されて操作性が改善する.また,管腔内圧が低圧に保たれ,苦痛の軽減や偶発症リスクの軽減も期待できる.

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© 2023 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
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