2024 年 66 巻 6 号 p. 1318-1324
症例は97歳女性.胆石性胆囊炎を繰り返していた.総胆管結石性胆管炎の診断で入院し,ERCP施行時に内視鏡スコープの挿入操作に伴い,胸部食道右壁側に穿孔を来した.97歳と高齢であり,多数の併存疾患があるため全身麻酔の耐術能が低いと判断し内視鏡的閉鎖術を選択した.穿孔部に対してクリップで間隙なく縫縮し,良好な経過を辿った.20病日に食道造影検査で漏出がないことを確認した後に,内視鏡的結石除去術を施行し38病日に退院した.内視鏡スコープ挿入時に生じた食道穿孔に対して外科手術を行わず,内視鏡的閉鎖術で穿孔部を閉鎖し保存的に経過した1例を経験したので報告する.