2024 年 66 巻 8 号 p. 1561-1569
2020年にオリンパス社より新たなイメージプロセッサであるEVIS X1が市販化され,新たな画像強調内視鏡であるTexture and color enhancement imaging(TXI),Red dichromatic imaging(RDI)が登場した.TXIは消化管腫瘍性病変の視認性改善効果が示されており,実臨床における病変検出率の向上が期待されている.現状ではその臨床的有用性は臓器によって異なると考えられる.RDIはその特徴的な原理に基づいて,特にESD術中出血に対してストレスの少ない止血が行えることが示された.またESD以外の消化管出血に対する止血術における有用性も今後検討されるべきであると考えられる.
新たな内視鏡プロセッサおよび画像強調内視鏡の開発により日常診療におけるエビデンスが確立され,消化管内視鏡診断・治療のさらなる発展が期待される.
A new image processor called EVIS X1 was introduced in 2020. It integrates novel image-enhanced endoscopic images, texture- and color-enhanced imaging (TXI), and red dichromatic imaging (RDI). TXI has been shown to improve the visibility of neoplastic lesions in the gastrointestinal tract and is expected to improve the lesion detection rate in clinical practice. Owing to its unique principle allowing easier visualization of bleeding points, RDI has been found to reduce the psychological stress of endoscopists compared with white-light imaging, especially for intraoperative bleeding during ESD. The usefulness of RDI for hemostasis in gastrointestinal bleeding other than ESD should be investigated in the future.
The development of new endoscopic processors and image-enhanced endoscopy is expected to provide evidence for daily practice and to advance gastrointestinal endoscopic diagnosis and treatment.
画像強調内視鏡は(image enhanced endoscopy)は① デジタル法,② 光デジタル法,③ 色素法に大別される 1).これまで光デジタル法であるNarrow band imaging(NBI),Blue light imaging(BLI),Linked color imaging(LCI)を中心として様々な臨床研究が行われ,消化管の各臓器において白色光観察と比し消化管腫瘍性病変の発見率の向上,さらには画像強調内視鏡を併用した拡大内視鏡観察において,病変の質的診断・量的診断に有用であることが報告されている 2)~7).2020年にオリンパス社より新たなイメージプロセッサであるEVIS X1が市販化され,新たな画像強調内視鏡であるTexture and color enhancement imaging(TXI),Red dichromatic imaging(RDI)が登場した.本稿では,TXI,RDIの原理と臨床的意義について概説する.
TXIは,Retinex理論を利用して開発された新たな画像処理技術であり,主に6つの処理で構成されている 8),9)(Figure 1) 10).(1)白色光観察で撮像された画像を最初にsingle-scale Retinex algorithmにより画像内の局所的な明るさや色調のコントラスト成分に相当するdetail layerと画像の明るさ成分に相当するbase layerに分離し,それぞれの成分を強調する 11).(2)画像内の暗部の明るさを補正する.一般的に,画像内の部分的な明るさ補正は,内視鏡の照明光制御だけでは困難であるが,base layerは画像の明るさ成分に相当するため,この成分に対して画像処理にて暗部の検出と明るさ補正を行うことで部分的な明るさ制御が実現可能となった.この画像処理を単独でoutputする画像強調技術がBrightness Adjustment Imaging with maintenance of Contrast(BAI-MAC)である.(3)base layerのダイナミックレンジを圧縮する.TXIでは,base layerのダイナミックレンジを圧縮することでdetail layerに含まれる凹凸や色調の局所的なコントラストを維持することが可能となる.(4)detail layer にtexture enhancementを適用して局所的な凹凸や色調のコントラストを強調する.(5)画像強調された base layer と detail layerを合成してTXI画像を得る.(6)さらにLab色空間における赤色と白色の色調差をより強調するような処理を適用する 12).TXIには,TXIモード1(上述の(1)-(6),凹凸と明るさ,色調の強調)とTXIモード2(上述の(1)-(5),凹凸と明るさの強調)の2つの設定がある.TXIモード2は,色調強調処理を含まないため,モード1と比してよりWLI観察の色調に近い画像として描出される(Figure 2).

Texture and color enhancement(TXI)の原理(文献10より引用).

早期胃癌 Type 0-Ⅱc.
a:WLI.胃体下部大彎後壁よりに発赤調の陥凹性病変を認める.
b:TXI mode 2.WLIと比較して肛門側が明るくなり,陥凹がより明瞭となった.
c:TXI mode 1.TXIと比較して発赤調の色調がより強調された.
これまでTXIを用いた臨床研究については,諸家より消化管上皮性腫瘍の視認性,腫瘍と非腫瘍の色差を中心に様々な成果が報告されており,以下に臓器別に解説する.
a.咽頭・食道
Dobashiらは咽頭・食道の表在性扁平上皮癌59例を対象としてWLI,NBI,TXI mode 1,TXI mode 2における癌部と非癌部の色差ΔEを検討しTXI mode 1,NBI ,TXI mode 2,WLIでそれぞれ18.6,17.2,14.3,11.6であり,TXI mode 1,2,およびNBIのΔEはWLIと比して有意に大きかったことが示された(p<0.001).また,TXI mode 1では62.5%(37/59)の病変の視認性が向上したことが報告された 13).また,IkedaらはShort-segment Barrettʼs esophagus(SSBE)を有する52例を対象とし,WLIと比してTXI mode 1,2でそれぞれSSBEの視認性が78.8%,32.7%改善し,Barrett食道と食道粘膜のΔE,Barrett食道と胃粘膜のΔEがWLIと比してTXI mode 1で有意に大きかったことを報告している 14).一方,Sugimotoらは食道粘膜Barrett食道の色差と視認性をWLI,NBI,TXIで比較し,NBIの色差がTXIより有意に大きかった一方で,視認性はTXIが良好であったことを報告している 15).
b.胃
胃癌の発生母地である萎縮性胃炎の診断について,諸家よりTXIの有用性が報告されている.Kitagawaらは,Helicobacter Pyloriの感染診断はWLIと比してTXIが有意に高かったことを報告している(78.7%vs. 85.3%) 16).また,萎縮性胃炎における萎縮・非萎縮領域の色差 17),18),非拡大内視鏡における腸上皮化生と周囲粘膜の色差も同様にWLIと比してTXIが有意に高かったが,第3世代NBIとWLIとの比較も同様の結果であったことは注目すべき点であり,今後さらなる検討が必要である 18).
胃腫瘍性病変の内視鏡診断については,食道同様に胃上皮性腫瘍の視認性および背景胃粘膜との色差を検討した報告が散見される 17),19)~26).Ishikawaらは胃癌と腺腫12病変の病変部と周辺の背景胃粘膜の色差を解析し,WLI,TXI mode 1,TXI mode 2におけるΔE±SDはそれぞれ8.0±4.3,18.7±16.0,10.2±8.4であり,TXIモード1がWLI,TXIモード2より有意に高かったことを報告している.著者らはGIF-H290ZとLUCERA ELITEシステム(オリンパス社)で撮像した早期胃癌20病変の生画像データから距離,角度,送気量が完全に一致したWLI,TXI mode 1,TXI mode 2の内視鏡画像をコンピュータシミュレーションにより再構築し,癌部と背景胃粘膜の色差ΔEを評価した.本検討ではWLI,TXI mode 1,TXI mode 2のΔE±SDは,それぞれ10.3±4.7,15.5±7.8,12.7±6.1であり,TXIモード1がWLIに比して有意に大きかったこと(p=0.04),特にType 0-Ⅱc,0-Ⅱbの早期胃癌の視認性が向上した.同様に,Kawasakiらは早期胃癌51病変を対象としてWLI,第3世代NBI,TXI mode 1のΔEを評価し,第3世代NBI,TXI mode 1ともにWLIより有意にΔEが大きかった 22).
上述のように,TXIの開発,市販化当初は早期胃癌を含む胃上皮性腫瘍の診断おいては静止画による色差・視認性を検討した研究のみであり,病変の拾い上げ診断については既存のWLI,NBIに対するTXIの有用性が明らかではなかった.近年本邦にて多施設randomized phase Ⅱ試験(3G-detection試験)が行われ,胃上皮性腫瘍の発見率がWLI群,第3世代NBI群,TXI mode 1群でそれぞれ5.6%,7.3%,5.0%であり,第3世代NBIが最も高かったことが示された 27).本試験は後のランダム化比較試験における試験検査を決定するpilot研究であり,今後は大規模臨床試験においてさらなる評価を行う必要がある.
c.大腸
TXIは画面の暗部に対して選択的に明るさを補正して凹凸を強調することから,平坦な大腸腫瘍性病変の発見率の向上に有用性が期待されている.Tamaiらは大腸上皮性腫瘍に対して内視鏡切除を行った22例68病変を対象として生画像データからのWLI,TXI mode 1,TXI mode 2,NBIの動画を作成し,4名の内視鏡医による大腸腫瘍性病変の視認性を評価した.視認性スコアはWLI=70.0,TXI mode 1=80.5,TXI mode 2=75.6,NBI=69.0であり,TXI mode 1がWLI, TXI mode 2,NBIと比して有意に高いこと,平坦病変のサブ解析においても同様の結果であったことを報告した 28).Yoshidaらは静止画を用いた検討で,WLI,NBI,TXIの大腸腫瘍性病変の視認性,病変と背景粘膜の色差を評価し,TXIはWLIと比較して視認性スコアが有意に高かったものの(3.42 vs 2.85,p<0.001),TXIとNBIの視認性スコアに有意差はなかった(3.42 vs 3.33).また,病変と背景粘膜の色差も同様の結果であったことが報告されている 29),30).
これまでは他の臓器同様にTXIの画像データを用いた研究が報告されていたが,近年実臨床における大腸ポリープ検出に関する研究が報告されている.Sakamotoらは国内3施設で大腸ポリープ検出に関する後方視的観察研究を行い,1検査あたりの平均ポリープ発見数(mean number of adenomatous polyps:MAP),腺腫発見割合(adenoma detection rate:ADR),ポリープ発見割合(polyp detection rate:PDR),平坦病一変検出割合(flat adenoma detection rate:FDR)をTXI群とWLI群で比較した.TXI群は237例,WL群は233例でMAP(1.5 vs 1.0),ADR(57.8% vs 46.8%),PDR(80.2% vs 63.9%),FDR(66.2% vs 49.8%)であり,いずれの指標もWLIに比してTXI mode 1において有意に改善することが示された 31).さらに,AntonelliらによるTXIとWLIにおける大腸ポリープ検出に関する多施設ランダム化比較試験が報告された.イタリア,ドイツ,日本から747例が登録され,primary endpointであるADRはTXI群が58.9%,WLI群が42.7%であり(p<0.001),10mm未満の小ポリープの発見率もTXI群が有意に高かったことが示された 32).オーストラリアからもYoungらが同様のデザインでTXIとWLIのADRを比較するランダム化比較試験を行い,TXI群,WLI群でADRが54.6% vs 40.99%(p=0.01),adenoma per colonoscopyが1.71 vs 0.94(p<0.01)であり,TXIの優越性が示された 33).これらの本ランダム化比較試験においてはTXIの有効性が示されたが,画質や世代の異なる内視鏡スコープが使用されていたことから慎重な結果の解釈が必要である.現在,本邦で最新の内視鏡スコープのみを用いた多施設ランダム化比較試験が行われており,今後の結果が待たれる.
また,大腸においてはTXIが腫瘍性病変の形態学的な診断のみならず,炎症性腸疾患患者の再発予測にも有用性が報告されている.Hayashiらは内視鏡的に寛解した潰瘍性大腸炎患者146名のTXI mode 2における粘膜の色調変化をスコア化して,再燃の有無を前向きに評価した.本検討ではTXI score 2の症例群(定義:顕著な発赤,深部血管の視認性が不良)のrelapse-free rateがTXI score 0あるいは1の症例群と比して優位に低かったこと,この指標がMayo endoscopic subscore 1の患者の再燃を予測する指標として有用であることが示された 34).
Dual Red imaging(DRI)は新たな画像強調観察技術としてオリンパスメディカル株式会社より開発され,「EVIS LUCERA SPECTRUM system」に搭載された.その後Red dichromatic imaging(RDI)として,2020年よりオリンパス社の最新内視鏡装置「EVIS X1」に搭載された.
RDIは,Green(520-550nm),Amber(595-610 nm),Red(620-640nm)の特性の異なる3つの狭帯域光による画像強調内視鏡である(Figure 3).RDIにおいてRedの光は粘膜深部まで到達して反射するが,Greenの光は粘膜深部までは到達せず,表層の血管に吸収される.一方,Amber(琥珀色)の光は深部の血管まで到達するものの,血中ヘモグロビンに光が吸収され,光の反射量が減少する.RDIではこれらの光吸収特性と組織の光散乱特性の違いにより,AmberとRedのコントラストを形成して毛細血管は黄色に,深部血管は濃いオレンジ色に描出される(Figure 4) 35).RDIの開発により白色光では視認困難な粘膜深層や粘膜下層に存在する深部血管の視認性が向上することが期待されていたが,Yahagiらはブタの胃を用いた動物実験においてRDIが粘膜表層から1,000~1,500μmの深層に存在する直径800~2,000μm程度の深部血管を視認できることを実証した 36).また消化管出血の観察においては,ヘモグロビン濃度が濃い出血点ではRedの光が反射してAmberの光が吸収されることで色調のコントラストを形成し,出血点が濃いオレンジとして描出される.一方,ヘモグロビン濃度が薄い出血点の周囲はRedとAmberともにほとんど吸収されないため,黄色に視認される(Figure 5).このように,RDIは消化管出血における出血点の視認性を向上させることが期待されている.

RDIの機序.

RDIが深部血管を視認可能とする機序(文献35より改変).

食道ESDにおける,WLIとRDIの出血点の視認.
a:WLI.
b:RDI(矢印 出血点).
RDIは深部血管や出血点の視認性を向上し内視鏡治療のアウトカムを改善することが期待され,これまでにRDI有用性に関する研究が多く報告されている.
Yahagiらは内視鏡画像を用いてWLIとRDIにおける深部血管の視認性を評価するpilot研究を行った.5年以上の内視鏡経験のある5名の内視鏡医が食道,胃,十二指腸,大腸の137枚の深部血管の内視鏡画像を明瞭(2点)・不明瞭(1点)・なし(0点)と定義した視認性スコアを評価した.5名の内視鏡医の視認性スコアはRDIが1.69-2.26,WLIが1.31-1.67であり,血管の視認性は有意にRDIがWLIより高い結果であった(p<0.0001).また,食道,胃,大腸の臓器別のサブ解析において,RDIの視認性はいずれの臓器でもWLIに比して向上した 36).また,Hiraiらは,上部消化管出血に対する止血時の出血点の色差をWLIとRDIで比較し後方視的に検討した.64症例を対象に,静止画を用いて色差を検討した結果,WLIに比べてRDIの色差が有意に大きいという結果であった(RDI=13.11±4.02,WLI=7.38±3.68,p<0.001).また,出血点の視認性をスコア化し,内視鏡の経験別に検討したが,熟練医,非熟練のいずれもRDIの方が視認性のスコアが高く,すべての内視鏡医にとって,出血点の視認はRDIが有用であるという結果となった 37).
Furuichiらは食道静脈瘤の治療に対するRDIの臨床的有用性を報告している 38),39).内視鏡的静脈瘤硬化療法(Endoscopic injection sclerotherapy:EIS)を施行した食道静脈瘤患者を対象として,RDI群(n=40)がWLI群(n=39)と比してEISの初回穿刺成功割合が有意に高かったこと(80.0% vs 46.2%;p=0.0018),累積再発率はRDI群において有意に低かったこと(p=0.031)を報告している.また,RDI群(n=70)とWLI群(n=85)におけるEISの施行時間を遡及的に検討し,施行時間はRDI群がWLI群に比して有意に短く(RDI=35.1分,WLI=42.2分,p<0.01),出血を来した症例における出血点の色差もRDI群がWLI群と比して有意に大きかったことを報告した(RDI=31.4±11.8,WLI=8.6±6.2,p<0.001) 39).
RDIは内視鏡的粘膜下層剝離術(ESD)施行時に粘膜下層の深部血管の視認性を向上させて出血を予防すること,また出血点の視認性を向上させて治療成績を改善することが期待された.Kitaらは食道,胃,大腸のESDを対象に,ESDの全過程をRDIのみで施行した群(n=25)と,WLIのみで施行した患者群(n=50)での治療成績を比較し,ESD施行時間は有意差がないもののRDI群の方が短い傾向にあった(35分 vs 40分,p=0.34).また,剝離速度中央値はRDI群がWLIと比して有意に速かったことを報告している(27.23mm2/min vs 20.94mm2/min)(p=0.025) 40).Maehataらは食道・胃・大腸ESDを施行した97症例378回の術中出血を対象としたWLIとRDIにおけるESDの止血時間を検討し,WLIと比してRDI群の止血時間が有意に短かったことが示された(61.0秒 vs 51.0秒,p=0.0004).また,本検討ではランダムに選択した術中出血時の動画(WLI群20回,RDI群20回)を対象として,eye trackingを用いて4名の熟練医の眼球の動きを計測して出血点検出に要した視点の距離を比較検討し,4名全員において出血点検出に要した視点の距離はRDIがWLIに比して有意に短かったことが示された 41).本検討は単施設の検討であり,FujimotoらはESD術中の止血においてWLIに対するRDIの優越性を検証する多施設ランダム化比較試験を行った.出血時にWLIのみを使用するWLI群とRDIのみを使用するRDI群にランダム化し,主要評価項目である平均止血時間はRDI群で62.3±108.1秒,WLI群で56.2±74.6秒であり,両群で有意差がなかったが(p=0.921),副次評価項目である内視鏡施行医のストレス(visual analogue scale)はRDI群がWLIに比して有意に低く(RDI=1.71±0.935,WLI=2.73±1.038,p<0.001),RDIを用いることでESD術中の術者のストレスが軽減することが示された 42).
本稿ではTXIとRDIの原理およびこれまで報告された非臨床・臨床研究について概説した.TXIは消化管腫瘍性病変の視認性改善効果が示されており実臨床における病変検出率の向上が期待された.しかし,現状ではその臨床的有用性は臓器によって異なると考えられ,今後は特に大腸における本邦の最新の内視鏡スコープを用いた多施設ランダム化比較試験の結果が待たれるところである.また,良性疾患の検出,炎症性腸疾患における炎症の評価,治療の効果判定,再燃予測についてはさらなる前向き研究により新たな知見が得られることが期待される.RDIはその特徴的な原理に基づいて,特にESD術中出血に対してストレスの少ない止血が行えることが示された.ESD術中止血時間を主要項目としたランダム化比較試験ではRDIの優越性が示されなかったものの,術中の出血予防を含めた総合的な有用性は今後の検討課題であり,またESD以外の消化管出血に対する止血術における有用性も今後検討されるべきであると考えられる.新たな内視鏡プロセッサおよび画像強調内視鏡の開発により日常診療におけるエビデンスが確立され,消化管内視鏡診断・治療がさらに発展することを期待したい.
本論文内容に関連する著者の利益相反:阿部清一郎(オリンパスマーケティング)