2025 年 67 巻 11 号 p. 2314-2319
症例は67歳男性.健診でEGDを施行し,十二指腸に異物を認め紹介となった.前医の情報では金属片が疑われていたが,CTでは明らかな異物は描出されなかった.EGDを再検すると異物はバッグクロージャーと判明し,下十二指腸角の腸管壁に瘻孔を形成し固着していた.早期脱落の可能性は低いと判断して当日の摘出は断念し,体外でバッグクロージャーに対して内視鏡器具を用いた変形や破損の実験を行い,治療戦略を検討した.初診より2週間後にEGDを再検し,フードと把持鉗子を用いてバッグクロージャーを変形させることで有害事象なく摘出に成功した.粘膜に瘻孔を形成して固着したバッグクロージャーを内視鏡的に摘出しえた症例は稀と考え報告する.