2025 年 67 巻 6 号 p. 1228
【背景】EUS-guided biliary drainage(EUS-BD)は,経験豊富な施設では良好な手技成績が示されている.EUS-BDの黎明期には経験の浅い施設で手技成績が劣ることが報告されていたが,近年の成績は不明である.本研究では,近年EUS-BDを導入した施設におけるEUS-BDの実現可能性と安全性を明らかにすることを目的とした.
【方法】本多施設後視的研究は,2017年から2022年の間にEUS-BDを導入した22施設で実施された.各施設のEUS-BD初回20例以内を評価した.これらの治療成績と84人の施行医の経験を調査した.主要評価項目は手技的成功割合と有害事象発生割合,副次評価項目は手技不成功と処置関連有害事象のリスク因子であった.
【結果】255名の患者が登録された.手技的成功割合は91.4%(233/255)であった.手技不成功22例のうち,ガイドワイヤ操作の不成功が最も多く(n=12),次いで穿刺路拡張の不成功(n=5)であった.有害事象発生割合は10.2%(26/255)であった.多変量解析により,穿刺胆管径5mm未満および肝表に及ぶ中等量の腹水貯留が,それぞれ手技不成功および処置関連有害事象の独立したリスク因子として同定された.施行医の処置経験は,手技不成功,処置関連有害事象のリスク因子ではなかった.
【結語】EUS-BDの実現可能性と安全性は,未経験施設における導入段階でも維持されていた.