日本消化器内視鏡学会雑誌
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表在性非乳頭部十二指腸腺癌における術前深達度診断に関する検討
森田 祐規吉水 祥一 高松 学河内 洋中野 薫池之山 洋平渡海 義隆並河 健堀内 裕介石山 晃世志由雄 敏之平澤 俊明藤崎 順子
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2025 年 67 巻 8 号 p. 1380-1392

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抄録

【目的】表在性非乳頭部十二指腸腺癌において,粘膜内癌と粘膜下層浸潤癌の鑑別診断は治療法を適切に選択する上で重要であるが,術前深達度評価における診断アルゴリズムは未だ確立されていない.

【方法】2006年から2022年の間に当院で治療を実施した表在性非乳頭部十二指腸腺癌205例(粘膜内癌188例,粘膜下層浸潤癌17例)を対象とした.術前深達度診断に用いた臨床所見,内視鏡所見,病理組織所見について後方視的に検討を行った.また,術前にEUSを実施した85例を対象として,EUSにおける深達度の診断精度について検討を行った.

【結果】粘膜下層浸潤癌と粘膜内癌を比較すると,粘膜下層浸潤癌では病変部位が主乳頭口側(88% vs. 48%),肉眼型が隆起型または複合型(94% vs. 42%),術前生検診断で中分化・低分化腺癌(47% vs. 0%)が有意に多かった.粘膜下層浸潤癌の発生率と内視鏡所見の関係性から,粘膜下層浸潤リスクを下記に示す通り層別化を行った.1)低リスク群(粘膜下層浸潤リスク2%):主乳頭肛門側に位置するすべての病変および,主乳頭口側に位置する表面型病変.2)高リスク群(粘膜下層浸潤リスク23%):主乳頭口側に位置する隆起型あるいは複合型病変.また,術前生検診断において,中分化~低分化腺癌であった病変は全例(8/8例)が粘膜下層浸潤癌であった.一方,本検討において,EUSは深達度の診断精度の向上には寄与しなかった.

【結論】表在性非乳頭部十二指腸腺癌は,病変部位,肉眼型,術前生検診断を基に粘膜下層浸潤リスクを評価することで,適切な治療法を選択できることが示された.

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© 2025 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
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