2025 年 67 巻 9 号 p. 1413-1422
表在型食道癌に対するESDは,日本で確立された低侵襲性治療であり,広く用いられている.しかし,全周性病変,治療後瘢痕併存病変,静脈瘤併存病変,化学放射線療法(chemoradiotherapy:CRT)後再発病変などは治療困難症例である.これらのうち,全周性病変では良好な切除率が報告されているものの,術後の狭窄が問題となる.瘢痕併存病変やCRT後再発病変では線維化のため技術的難易度が高く,非治癒切除や偶発症のリスクが高い.静脈瘤併存病変では出血リスクがあるが,硬化療法を先行することで比較的安全に施行可能である.以上のようなESD困難例に対する治療として,光線力学療法(photodynamic therapy:PDT),APC,RFAなどの非切除性内視鏡治療法が注目されており,良好な成績が報告されている.今後,より安全かつ確実な内視鏡切除方法や,非切除性内視鏡治療法の開発が期待される.