日本消化器内視鏡学会雑誌
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手技の解説
Gas-free immersion(GFI)systemを使用したunderwater ESD(動画付き)
野村 達磨 小林 真向 克巳
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電子付録

2025 年 67 巻 9 号 p. 1466-1473

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抄録

浸水下における内視鏡的粘膜下層剝離術(underwater ESD)では,ハレーションの消失,約1.3倍の視野拡大効果,浮力によるトラクション効果が得られる.加えて,脱気下浸水環境下ではスコープの操作性も向上することが期待される.一方で,剝離時に発生するバブルによる視野不良や,術中出血に対する浸水下での止血困難が問題とされてきた.われわれはこれらの課題に対し,Gas-free immersion(GFI)systemと名付けた新たな手技を考案した.GFI systemでは,側孔のない先細りのキャストフード内に乱流を発生させる構造を採用しており,送気送水ボタンを押すことで内視鏡レンズ方向への送水のみを行う.これにより,キャストフード内に流入したバブルを効率的にフード外へ排出し,視野を妨げることなく剝離を継続できる.また,出血時にはキャストフードの広い側面を用いた圧迫止血が有効であり,クリアな視野を維持しながら止血処置を行うことが可能である.さらに,2チャンネルスコープを併用し,あらかじめ一方の鉗子口に止血鉗子を挿入しておくことで,出血発生時に迅速な止血(Dual-channel rapid hemostasis)を実現した.本稿では,GFI systemを用いたunderwater ESDの有用性と実践法について,複数の動画症例を用いて紹介する.

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© 2025 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
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