2025 年 67 巻 9 号 p. 1474-1491
TOKYO criteriaは,内視鏡的経乳頭胆管ドレナージの標準化された報告システムとして提案された.この基準の主な目的は,ステント成績の報告の仕方の不均一性が研究間の比較や結果の解釈を困難にしている問題に対応することであった.しかし,初版のTOKYO criteriaは,超音波内視鏡下胆管ドレナージやデバイス補助下内視鏡を用いた胆管ドレナージなど,近年の胆管ドレナージ手技には必ずしも適用できるものではなかった.
近年,内視鏡的ドレナージにより肝門部胆管閉塞や良性胆管狭窄を管理する機会が増加している.また,胆管アブレーションは良性および悪性胆管狭窄の管理に導入されてきた.さらに,がん患者の生存期間の延長に伴い,初回ステントの開存期間だけでなく,内視鏡的胆管ドレナージを必要とする期間全体における総合的なアウトカム評価の重要性が増している.
これらの未解決の課題を認識し,日本消化器内視鏡学会内に委員会が設立され,現在の臨床現場に適応する形でTOKYO criteriaの改訂が進められた.改訂版では,内視鏡的胆管ドレナージ全体に共通する評価項目だけでなく,特定の病態や手技に応じた評価項目も提案されている.さらに,「ステントによる治療期間(stent-demanding time)」という用語が定義され,内視鏡的胆管ドレナージを必要とする期間全体にわたり,ステント関連アウトカムを総合的に評価する枠組みが導入された.
2024年改訂版TOKYO criteriaは,臨床研究の設計および報告を向上し,内視鏡的胆管ドレナージの評価におけるゴール指向型のアプローチを提供することが期待される.