2026 年 68 巻 1 号 p. 35-40
症例は55歳,男性.主訴は嘔吐,下痢,体重減少.腹部造影CT検査では下行結腸に空腸と一塊となった腫瘤を認めた.CSでは下行結腸に2型腫瘍を認め,アミドトリゾ酸造影で空腸への造影剤の漏出を呈し,下行結腸癌,空腸浸潤,空腸結腸瘻と診断した.経口摂取により腸閉塞となったため,手術加療を推奨するも,拒否されたため腫瘍部にカバーステントを留置した.その後外来で化学療法を行っていたが,ステントの瘻孔への逸脱を認めた.内視鏡での抜去は困難であり,手術となった.大腸悪性腫瘍による瘻孔に対しては,後治療を視野に入れた治療選択を行う必要がある.