2026 年 68 巻 10 号 p. 1677-1688
EUSは膵癌早期診断に有用とされるが,その多くは基幹病院で実施されており,検査需要の増加に伴う業務負担や待機期間の長期化が問題となっている.本稿では,膵癌早期診断におけるEUSの役割と病診連携の現状を整理し,クリニックにおけるEUS導入の意義と課題について概説する.クリニックEUSは高リスク群に対する迅速な精査と診断から治療開始までの期間短縮,さらには基幹病院の負担軽減に寄与する可能性がある.一方で,設備投資の大きさ,専門医確保の困難さ,クリニックレベルでのエビデンス不足など,解決すべき課題も残されている.今後は,保険適用の拡大,画像連携の強化,ならびにAI診断支援技術の普及により,地域医療における膵癌早期診断体制のさらなる発展が期待される.