2026 年 68 巻 10 号 p. 1689-1694
80歳女性の胃穹窿部大彎に,急峻な立ち上がりと頂部陥凹を伴う20mm大の粘膜下病変を認めた.上部消化管内視鏡およびEUSでは第3層に限局した不均一低エコー腫瘤で,管腔構造と囊胞成分を伴い異所性膵が疑われたが,GISTや胃悪性リンパ腫との鑑別を要した.頂部陥凹からの生検およびEUS-FNAで膵腺房と導管成分を認め,HeinrichⅡ型異所性膵と診断した.胃穹窿部発生の異所性膵報告は少なく,多くが外科切除後に診断されていた.本症例は胃穹窿部に発生した異所性膵に対してEUS-FNAで最終診断が可能であった症例を経験した.