2026 年 68 巻 2 号 p. 97-110
第3次人工知能ブームの中,ディープラーニング技術の発展により内視鏡AI開発が急速に進展した.2018年には大腸病変診断支援AIが日本初のAI搭載医療機器として承認され,2024年からは診療報酬加算も設定された.内視鏡AIは大きく病変検出支援(CADe)と鑑別診断支援(CADx)に大別される.大腸内視鏡領域では,CADeによる腺腫発見率が8-10%向上し,見逃し率も有意に低下することがメタ解析で示されている.胃癌,食道扁平上皮癌でも前向き研究の結果が報告されている.一方で,実臨床では偽陽性の問題,医師のAI依存(deskilling),Human-AI Interactionの最適化など多くの課題が明らかになってきた.内視鏡AIは着実に臨床実装が進んでいるが,真の臨床的有用性の確立にはさらなる前向き研究が必要である.