2026 年 68 巻 5 号 p. 1049-1055
表在型十二指腸上皮性腫瘍(superficial duodenal epithelial tumor :SDET)に対するESDは,一括切除率が高く低侵襲である一方,十二指腸特有の解剖学的特徴から難易度が高く,有害事象のリスクが高いため,熟練した術者と万全の医療体制を要する手技である.近年,様々な切除法やデバイスの技術革新により安全性が向上してきた.また,創部閉鎖法や胆管膵管ドレナージにより遅発性有害事象も予防可能となっている.世界的にもESDが行われており,現時点では再発率は極めて低く,長期成績も良好である.乳頭部を含むSDETに対するESDは新たな選択肢となり得るが,その適応は慎重であるべきである.安全な十二指腸ESDには,経験豊富な内視鏡医,胆膵内視鏡医,消化器外科医,放射線画像下治療医を含む多職種連携体制が不可欠である.